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「さようなら、みんな。」
ゴミ箱に落ちっているところ、私はご飯を食べているみんなに眺めながら言った。そして、この短い瞬間に私は自分のドラマチックな人生を思い出した……
米歴紀元 13000 年 春
吾輩は米である。名前はコメだ。幼いころに、私が泥の中に住んでいた。その時、私は孤独な種だ。相手にしてくれる人はただ一人しかいなかった。その人は私の父だ。彼は毎日毎日私に水をやり、肥料を与えてくれた。私も毎日自分の気持ちを素直に彼に伝えてあげた。唯一の家族である彼はいったいどんな様子だろう。私は速く生長して、彼に会いたかった。
ついに、その日が来た。私は大きな期待を持って、土からくぐってきた。しかし、外の世界は思うよりそんなに明るくなかった。父の顔にもやがかかっているように、はっきり見えなかった。
「おとうさん、顔、何で被せている?」
「コメちゃん、これはスモッグだ」
「スモッグ?」
「はい。人間はより便利な生活を追い求めて、経済を発展するため、木を切ったり、工場を建てたりしてきた。それで自然環境が破壊されてしまい、このスモッグは大自然からの懲罰だ。」
米歴紀元 13000 年 秋
秋になると、私がおとなになった。金色になっている私が太陽の光の中で潤っていた。
稲穂が腰を曲げ、その上でブランコをしているところ、父が私と大勢の米兄弟と一緒に摘み取った。
「おとうさん、私、どこに行くの?」
「この前、隣の町に地震があったろう。これから、コメちゃんが被災地の人たちを救けて行くよ。頑張ってね。」と父が言った。
私は何のために生まれてきたのかと考えていたところだった。そうだ!私たち、米にとって、自分の命を捧げて、他人を満たすこと、これこそ私たちの使命だ。それで、期待の
気持ちが胸にあふれて、未知の旅に出た。時間がどのぐらい流れたのか知らず、ついに、車が止まった。
「被災地にやっと着いた!」
「被災地?誰か教えてあげたの?ここは役人の家だ。」
「役人の家?間違ったじゃないか?被災地のみんなが私を待ってるんだ。」
「間違いじゃないよ。救援物資なんて、これは役人がよく使っている嘘だ。」と倉庫管理が言った。
米歴紀元 13000 年 冬
役人の倉庫は様々な箱や袋に積まれていた。私はずっと暗いちっちゃい箱の中にとじこめられていた。箱から出された日は、外がもう寒くなった。空を舞い落ちている雪は私よりもっと白かった。倉庫管理員が私をキッチンに運んだ。
今日は自我価値を実現する日だ。ようやくこの日になった。私がこう考えている間に、電気炊飯器に入れられた。
「ロウヒちゃん、ご飯だよ」
「はーい。」
「今日のごはんは口に合うかな?」
「おいしくない!食べたくない!」
「ああ、じゃ、もう一度作らせる。まずかったら捨ててもいいよ、ロウヒちゃん。」
「ママ、テレビ見て。」
「隣の町にまた地震があったな。かわいそうな被災地の人たち...」
役人の奥さんがこう言いながら、テーブルの上に残されたおかずを全部ゴミ箱に捨てた。私も含めた。まさかこれは私の使命だったのか。
「さようなら、みんな。」……
「禾を鋤きて日午に当たる、汗は滴る禾下の土。誰か知る盤中の喰、粒粒皆辛苦なるを。」
と役人の子供が読書する声が私の耳元で響いている。
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