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「おばあさんの白粥」 李春蓉 山東師範大学

2016-10-14 13:48:22     cri    

 みなさんがいつも食べているお米は、栄養価値が高いようですね。私たちの健康と生活を支えるものとして、お米は生活に欠かせない存在です。今、家を離れて、私は大学に通っています。家に帰った時、母がいつもご飯を作ってくれます。そのためか我が家ではお米はすでに家族との絆になっていると思います。私にとって、白粥はおばあさんとの絆です。白粥を飲むと、おばあさんのことを思い出して、口の中に甘味が広がり、心の中には幸せが広がる感じがします。

 子供の時、私はおばあさんの家にずっと住んでいました。おばあさんは料理が得意です。おばあさんの自慢の料理の中に、白粥がありますが、それは絶品です。地味だけど、特別です。その頃、おばあさんの家には炊飯器がなかったので、土鍋で白粥を炊きました。土鍋で白粥を炊くのは、手間がかかりますが、お米の匂いを発散させることができます。そして、とても美味しい白粥が炊き上がります。出来上がると、すごく食欲が湧いてきました。おばあさんの白粥を食べた私から、「おいしいね」と言われると、おばあさんはいつも優しい目で私を見ながらニコニコ笑っていました。

 白粥を飲むとお米のいい香りがしました。お米ってこんなにおいしいのかと初めて感じました。おばあさんに「なんでこんなに美味しい白粥が作れるの?」と聞いてみたら、おばあさんは「特別なことはないよ。ただ心を込めて作っているの」と教えてくれました。「心を込めて作る」という言葉を聞いておばあさんの温かさは寄せてくる波のように私を包んでいました。その後、おばあさんとのこのお話を思い出すと、自然と心が温かくなります。

 私は小学校三年生の時に急に病気になって、なんとなく食欲がありませんでした。おばあさんは「お腹は空いていないの?白粥を作ってあげるよ」と言ってくれました。この話を聞くと、私は自然に笑みがこぼれ、目はきらめきました。おばあさんは白粥に胡麻を入れました。お米と胡麻の匂いがする白粥を飲むと、私の食欲は戻って、直ぐに元気になりました。

 昨年、おばあさんが病気で入院しました。大きな手術を受けました。私は心配でたまらなくて、なかなか落ち着きませんでした。いつもおばあさんは白粥を作ってくれましたけど、私はおばあさんにごはんを一度も作ったことがありません。だから私は病気になっているおばあさんに白粥を作りたいと思いました。お米を計量カップで計り、米を研いだ後で、お米を鍋に入れました。それから鍋に水を足して、米を柔らかく煮ました。大成功でした。私は手作りの白粥を持って病院にお見舞いに行きました。にっこり笑いながら白粥を飲んでいるおばあさんから「美味しいよ」と言われて、嬉しかったです。おばあさんは私が作った白粥を飲んだから、きっと元気になると信じていました。私の心がこもっていたものですから。

 相手に美味しく食べてもらいたいという気持ちは料理そのものよりも大切でしょう。お米は私にとって身体の一部です。白粥を通して、私はおばあさんと繋がっています。おばあさんは白粥を炊いてくれるとき、私への愛情を注いでくれました。私もおばあさんに白粥を作ってあげるとき、心を込めて作りました。白粥を作っているおばあさんの顔、私の顔はこの世界で一番幸せな顔でしょう。お米で、家族の絆をよく深めることができると思います。

 おばあさんが作ってくれた美味しい白粥、私が作った白粥には、家族の温かさが溢れています。白粥は飲めば飲むほど甘くなリ、白粥を食べれば食べるほど元気が出ます。米のひと粒ひと粒も「心を込めてね」と私の心に囁いています。美味しい白粥、美味しい米を食べられるのは幸せのひとつでもあります。お米、白粥はすでに家族との絆になっています。

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