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1937年の7月7日。中国の東北部を植民地支配していた日本軍は北京市郊外で盧溝橋事変を起こしました。これにより、日本の中国への侵略戦争が全面的に勃発しました。
その後、戦争は1945年まで、8年間も続きました。
1945年8月15日、日本の首都・東京。敗戦と共に、17歳の一人の少年が衝撃的な夏を過ごしました。それまで自分が受けていた教育が、あるべき姿と正反対のものだったことを、その時に初めて知ったと振り返りました。17歳の夏の衝撃、少年のその後の人生にどのような影響を及ぼしたのでしょうか。
今週は7月7日放送特別企画、「戦後70年 私にとっての戦争と平和」をお送りします。早稲田大学元総長で、刑法学者の西原春夫さんと中国とのかかわりにスポットを当てます。
この5月31日、「日中刑事法学の現在と未来」と題した学術シンポジウムが中国人民大学で行われました。定員100人の会議室に中日双方の刑法学者、学生ら約160人がつめかけました。教壇のあるステージの端にまで学生たちが座り、立ち見の人も大勢いました。
中国と日本の刑事法学界で約30年間続いてきた交流を総括し、次世代へバトンを渡すことを目的としているこのシンポジウム。実は中日の刑事法学界の交流を牽引してきた西原春夫さんと高铭暄さんの米寿祝いの場でもありました。同じ1928年に生まれたお二人は、来年で88歳になります。
高铭暄さんは中国人民大学終身教授で、この4月、刑法学界のノーベル賞と言われる「ベッカリーア賞」をアジアで初めて受賞しました。こんな高さんが牽引してきた世界各国との交流は、アジアにおける日本との交流が大きな比重を占めています。
西原さんにとっての戦争と平和に対する思いは、中国の刑法学界と交流を深め、人材を育て、一緒に向上する気持ちであり、また、究極の犯罪行為である戦争を防ぐことに向けての生涯にわたる努力そのものでもあります。
【プロフィール】
西原 春夫(にしはら はるお)
1928年東京都生まれ
法学博士、専門は刑法
早稲田大学第12代総長(1982~1990年)、早稲田大学名誉教授。
2005年 (一般財団法人)アジア平和貢献センターを設立し、理事長に就任
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