6月14日、小雨の降る中、上海万博のアジア広場になつかしい歌声が響いた。
ジャパンウェークにあわせ12日から23日にかけて行われる「コ・フェスタ」のイベントの一環で、水木一郎と石田陽子によるアニメソングが披露された。
開始と同時に、広場はあっという間に人で埋め尽くされ、歩道にも人が溢れた。
舞台の横には大きなスクリーンがあり、舞台の様子が遠くからでも見られるようになっている。
驚いたのは、若者たちの興奮と熱狂ぶりだ。披露された曲は決して新しい曲ばかりではなかったが、前列にいた人たちは、どの曲も既に知っているようで、曲にあわせてリズムをとったり、声をかけたりする。それにつられて、まわりの人たちも参加し、興奮は続く。
日本では決して珍しい姿ではないが、中国のライブハウスでもこんな盛り上がりを見せることはあまりない。その若者たちの熱狂ぶりがおもしろいのか、中年やお年寄りも集まり、まさに祭りのようなにぎわいだった。
日本のアニメが中国でも人気とは聞いていたが、これほどとは思わなかった。今回、上海万博の会場内で披露されたことにより、さらに広い層の人々へ認知されることだろう。
温家宝副国家主席が日本を訪問した際に、中日共同のアニメフェスティバルの開催の話題も出ていた。「漫画やアニメが好きだ」と言うと、あまりいい顔をされない時代に育った私には、国際的な場にアニメが登場することに違和感を覚えないでもないが、これからアニメが二国の交流にどんな貢献をするのか、また日本のアニメが中国の若者にどんな影響を与えるのか、今後も注目していきたい。(文・写真/吉野綾子)
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