24日午前、被災地再建に携わる四川省各担当部門の責任者による合同記者会見が開かれました。この中で、震源地にある映秀鎮の再建に関して「三年任務両年完成(三年かかる再建工事を繰り上げて2年間で完成する)」という言葉が一番印象的でした。
すごい意気込みだと思いましたが、言葉どおりうまく出来るのでしょうか?この言葉の裏にはどんな思いがあるのだろうか?そんな疑問を抱きながら、四川省建設庁の責任者・田利婭さんに話を聞いてみました。
田さんの話によると、この「三年任務両年完成」は関係者が被災地住民の声に耳を傾けた上で定めた目標で、「一日も早く元通りに暮らしたい」という被災地の誰もが抱く素朴な願いから生まれた計画だということです。各界が注目しているところでもあり、担当部門の人たちに責任感を強く感じさせる言葉でもあります。通常3年かかる建設プロジェクトをたった2年で完成するとは、「思い切った」計画と言っても過言ではありません。
中国では「故土難離(故郷は離れがたい)」という言葉があります。これはまさに、震災で大きな被害を受けても、やはりこの土地で一からやり直したいという被災者の気持ちを表しています。しかし、仮設住宅では安心して落ち着いて暮らせません。人々をこんな不安から解放するためには早く新居に移ることです。「生活が落ちつけば、すべてが始まりやすくなるのでは」という田さんの言葉にはうなずけるものがあり、政府の「人間重視」の方針も垣間見ることができます。
一方で、金融危機の影響が被災地にも広がっています。中国は金融危機対策の一つとして「内需拡大」を掲げています。大地震は四川省にとって災難であると同時に、地震後の再建が消費を刺激するきっかけにもなりました。この要素も「三年任務両年完成」の確定に「一役買った」と言います。
しかし、建築の安全性はどうでしょうか?田さんは「施工地点の選定が大切で、活断層や急斜面、洪水が起きやすい場所を避けなければならない」と教えてくれました。安全性の確保の具体策として、手抜きがないよう常に監督すること、工事現場では一人一人に手取り足取り指導することも挙げていました。また、すべての段取りで一般競合入札を実施していることも強調していました。
「2年後に完成する自信はあるか」と一つ探りを入れてみると、「自信は口先だけのものではない。みんなで力を合わせて根気強く乗り越えていきたい」と田さんは微笑を浮かべました。
*写真:四川省建設庁の責任者・田利婭さん 合同記者会見にて
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