これまでの取材の旅は北方地方が多かったのですが、今回は中国の南、浙江省への旅ということで、今までと一味違った取材になることを期待しています。中国は広いので地域によって水も空気も食べ物も異なります。取材のコースである杭州、舟山、寧波は水と緑に恵まれた美しい地区。一方で、広大な港を抱えているため大規模な貿易区でもあります……
朝から、しとしとと雨が降っています。少し肌寒い中、本日の取材は天一閣博物館から始まりました。天一閣博物館は明の時代の学者笵欽が建設した書庫で、現存する最も歴史の長い個人の蔵書楼の一つです。蔵書楼と聞くと重厚な図書館を想像しますが、雰囲気は中国の伝統的なお屋敷といった感じで、蔵書室の他に展示や庭園も楽しむことが出来ます。竹林や岩、中国情緒あふれる庭造りがまるでタイムスリップしたかのような感覚を醸しだしています……
旅も後半に突入しました。今日は舟山を離れ再び大陸入りし寧波市の発展振りを見学します。世界一の海上大橋「杭州湾跨海大橋」の南岸に位置し、杭州湾を臨む寧波杭州湾新区は企画陸地面積235平方kmの大規模開発新区です。長江デルタの重要な都市を結ぶ中心にあり、上海までは車で1時間半、寧波の中心地までは40分という好立地。上海の「浦東」をここにも建設してしまおうという省政府の大胆な決定が2009年末に行われ400億元を投資する総合的な新区の開発が始まったのです……
昨日、浙江省入りして省の人民政府の方々から熱烈な歓迎を受けてから一夜明け、百聞は一見にしかずということで、浙江省の素晴らしさを実感するために朝9時前にバスがホテルを出発しました。さあ、取材旅行の本格的な始まりです。西湖に程近い杭州市のホテルから車で3時間。まず、やってきたのは舟山市です。 恥ずかしながら、舟山と聞いて初めは山が有名なところなのかと思っていたのですが、それは大きな間違いで舟山市とは中国一の郡島であり……