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「紫の藤の樹(紫藤樹)」李白

2016-05-05 17:04:40     cri    


 日本では、ゴールデンウイーク真っ只中。いかがお過ごしでしょうか?中国の5月の連休は3日間と短く、あっという間に終わってしまったように感じています。私はちょうど日本から友人が北京を訪ねてくれたので一緒に盧溝橋や万里の長城、お茶市場などに出掛けました。日によって夏を思わせるまぶしい天気だったり、冷たい雨が降る一日だったり。でも、天気に関わらず新緑の季節到来といった感じです。緑の葉は青空の下、太陽の光に負けじと輝く姿も、小雨に打たれてうつむき加減でしっとりたたずむ姿もとても美しく、花と同じようにいろいろな表情で私たちを和ませてくれます。こんな木々が生き生きとする季節が私は好きです。残念なのは、北京はその時期が短く、直ぐに本格的な夏になってしまうことです。短いからこそ、この季節を濃厚に楽しみたいなぁと思います。さて、今日は李白の「紫の藤の樹(紫藤樹)」を紹介します。

 作者、李白は盛唐の詩人。豪放に生き、一説によると酒に酔って湖に映る月を捉えようとして湖に落ちて溺死したとも言われています。私はこんな風に聞き、李白は酒好きの無粋なおじさんというイメージを持っていた時期がありました。でも、いろいろ彼の作品を調べていったら、こんな藤の花を詠った詩もあります。私にとって藤は初夏の花ですが、この詩では「陽春」、春のようです。詩の中で鳥を隠してしまうほど葉が茂っているようですから、やはり初夏かなとも思います。花の咲く時期は地域や年によっても違うのでしょう。紫の藤の花が雲のような大きな木にかかっている。花が咲くではなく掛かっているというところが、藤の花の特徴をよく捉えています。密葉は密に生い茂った葉のこと。歌鳥は囀る鳥のことですが、確かに鳥の囀りは歌に例えられることが多いですね。香風、芳しい風ですが、藤の花の香りがふんわりと漂っていると言うことでしょう。そんな藤の香りは美しい人でさえ、思わず足を止めてしまうと言っています。月こそありませんが、まさに花鳥風月。目の前に情景が浮かび、香りも漂ってきそうな詩です。

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