北京
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中国人民銀行(中央銀行)の易綱総裁が、フィンランド中央銀行新興経済研究所の設立30周年記念イベントで行ったビデオ演説が、同行のホームページに掲載されました。
易総裁は、「中央銀行デジタル通貨(CBDC)が通貨政策と金融の安定に与える影響は主にCBDCの設計によって決まる。CBDCが現金に似ている場合、影響は比較的限定的だ。しかし、預金などの金融資産の属性を持つと、預金の代替を引き起こし、金融仲介規模の縮小や金融政策の波及効率の低下につながる可能性がある。人民銀行は、悪影響を効果的に削減するための設計計画を適切に策定した。まず、デジタル人民元のM0(現金)ポジショニングを堅持し、利息を考慮せず、銀行預金との競争を減らす。第二に、二重の運営システムを採用する。すなわち中央銀行が集中管理して、通貨の発行と金融政策を規制する機能を確保する。商業銀行と決済機関が仲介役となり、利用客にデジタル人民元の両替と決済サービスを提供する。さらに、ウォレット残高の上限や取引金額の上限などの制度上の摩擦を設け、取り付けリスクを可能な限り減らす。同時に、試行においては、通貨政策、金融市場、金融安定などへの影響も重要なテスト内容だ」と述べました。
易総裁は、「試行状況に基づいて、的を絞ってデジタル人民元の設計と使用を改善する。第一に、現金と銀行口座の管理の方針を参照して、デジタル人民元に適した管理モデルを確立する。第二に、決済効率、プライバシー保護、偽造防止などの機能を引き続き向上させる。第三に、デジタル人民元と既存の電子決済ツールとの相互連結を促して、安全で利便性のある統一を実現する。第四に、デジタル人民元のエコシステムを改善し、デジタル人民元の包摂性と可用性を高める」との考えを示しました。(ヒガシ、柳川)