李克強首相は1月31日に、教育や技術、保健、スポーツ界の識者、一般市民の代表を招いて座談会を開き、3月に開かれる全国人民代表大会（全人代）で発表される「政府活動報告（意見募集稿）」に関する意見と提案を聴取しました。

　李首相は「第18回党大会開催以降、習近平同志を核心とする党中央の指導の下、わが国の各項目の事業は得がたい成果を収めた。今後もこのような良好な勢いを保ち続けるためには、国民の知恵と力をさらに結集して、国民が最も関心を持つ直接的かつ現実的な利益問題を解決しなければならない」と述べ、各種の政策が国民の期待により応えられるよう代表らの率直な建言を求めました。

　教育面について、武漢大学の竇賢康学長は「イノベーション型国家を構築するために人材の役割をいっそう発揮させ、中西部でハイレベルの大学の建設支援を強めるべきだ」と提言しました。また、西湖高等研究院の施一公院長は、「私立大学の発展を積極的に模索し、それに対する支援策を策定すべきだ」としました。これを受けて李首相は「各級政府は教育のバランスの取れた発展を促し、公平な環境づくりに取り組むと同時に、学校へより大きな自主権を付与し、ハイレベルな国立・私立教育の発展を支援し、人材の育成に力を入れるべきだ」と述べました。さらに中国科学院数学・科学プロジェクト計算研究所の陳志明所長が行った基礎研究をより重視すべきだとの提言について、李首相は「数学や物理、化学など基礎科学に関する研究がなければ、オリジナリティあるイノベーションとコアテクノロジーの開発におけるブレイクスルーを実現できない」として、各種奨励政策の見直しを促しました。

　また、文化遺産の保護と利用の強化に関する樊錦詩敦煌研究院名誉院長の提言について李首相は「科学技術を駆使して伝統的な文化遺産、特に世界文化遺産など歴史的な文化財を大切に保護すると同時に、時代のニーズに応じて、プラスのエネルギーを与えられる格調高い文化関連商品を作り出し、中国の優れた文化を発揚するべきだ」と指摘しました。

　そのほか家庭農園の発展をめぐる農家代表の孔蒲氏の提言について、李首相は「農村振興戦略を積極的に推進する中で、新しい農業経営主体の育成に力を入れるべきだ。農家が十分に才能を発揮できるよう彼らのニーズに応えて支援を強めるべきである」と各地区・各部門の責任者に求めました。（ZHL、星）