経済協力開発機構（OECD）は28日パリで「世界経済展望報告」を発表し、2017年度の世界経済成長率見通しを上方修正しました。

　今年の世界経済成長率を9月の見通しより0.1％引き上げた3.6％と予想し、来年度の世界経済成長率は3.7％になるだろうとしています。

　また、報告ではアメリカ、ユーロ圏といった主な先進国経済帯の2017年と2018年の経済成長率予想を上方修正し、日本とイギリスの2017年度の経済成長率見通しを引き下げました。そのほか、インド、ロシア、ブラジルなど主な新興市場経済帯の2017年と2018年の経済成長率予想については、上昇する地域もあれば低下する地域もあるとしています。

　OECDのアンヘル・グリア事務総長は同日の記者会見で「世界経済成長率の短期見通しの改善は、多くの国家の貨幣と財政政策に関わっている」と述べた上で、「各国は引き続き総合的な経済改革の実施に努め、長期的な経済成長の潜在力を重視すべきである」と指摘しました。（雲莎、謙）