北京
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5年前の2015年7月、北京市は隣接する河北省張家口市と共に、2022年冬季オリンピックの開催権を獲得しました。それに伴い、張家口市の崇礼区は雪の種目のメイン会場に指定され、大きな発展のチャンスを手に入れました。大規模な建設を経て、4年後の2019年に、崇礼はすでに昔の立ち遅れた貧しい山村のイメージを一変させ、新しい姿に生まれ変わったのです。
崇礼は8割が山岳地帯であり、畑が少ないため、昔は僅かな耕地に頼るしかありませんでした。しかし、年間積雪期が150日もあるため、早くも24年前の1996年から、スキー産業を興し始めました。その一貫として、营岔村という村全体を移転させて、スキータウンを建設しました。村民温昌さんはその時、ほかの村人と一緒にスキータウンの契約社員になったのです。現在温昌さんはホテルでコックを管理する仕事をしています。「以前は畑仕事のほか、何もすることはなかったのですが、いまはやる気さえあれば、大人にしろ子どもにしろいくらでも仕事がある」と温さんが話しています。
現在、崇礼にはスキー場が7つあります。冬はスキー、夏はアウトドアなどで、3万人の就職口が作られています。同区では、4人に1人がスポーツ関連産業に従事しているということです。
また、多くの若者が地域の急速な発展を見て、地元に戻るようになっています。34歳の李建江さんはその1人です。彼はコンピューターが専攻でしたが、15年前に1人で故郷を離れて北京へ行きました。故郷の発展にコンピュータ人材が必要と聞いて、5年前に故郷に戻り、情報技術責任者になったのです。「いまは毎日家に戻れて、子どもの成長を見守れ、親の面倒も見られる。また故郷の発展にも力になれるので、最高に幸せだ」ということです。
崇礼は多くの人に夢を実現させるチャンスを与えてくれました。村民の謝霆さんは最初は農家から治安維持員になりましたが、独学でスキーを習得して、35歳の時にはスキーのインストラクターの資格を取り、子ども達にスキーを教えています。いまは幸福感と充実感でいっぱいだということです。
現在、北京までの高速鉄道の開通により、崇礼は首都1時間経済圏に組み込まれています。崇礼へ行って、スキーを楽しむことがより便利になっています。
「小康社会に向かう中国人の暮らし」、今回は2022年冬季オリンピック開催地となったことで、スキータウンに生まれ変わった河北省崇礼区の斬新な姿についてお伝えしました。お相手は王秀閣でした。ではまた来週。さようなら。(閣、CK)