北京
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科迦寺の様子
科迦(カキャ)寺はチベット自治区ガリ地区のプラン県に位置し、海抜約3700メートルにあるチベット仏教のサキャ派寺院です。996年に大訳経家のレンチンサンブによって創建され、千年以上の歴史があります。科迦寺には多くの加持力(加持・祈祷に備わっている力)に富んだ仏像、仏塔、大量のチベット語典籍、古壁画とタンカなどの貴重な歴史文物が祀られています。中国とネパールの国境に位置しているため、寺院は中国、インド、ネパールの国境にある重要な寺院となり、三カ国の信者共通の信奉を得ています。
科迦寺の住職ソマレンゾウさん
寺院の仏事が行われるたびに、地元の村人だけでなく、インド・ネパールの人々も千里を越えて訪れ、寺院の信奉者は後を絶ちません。これについて、住職のソマレンゾウさんは、「私たちが現在行っている仏事は、千年に渡って受け継がれてきたものだ。例えば、毎年チベット暦の1月に行われている祈祷法会は、15日間にわたって開催する。これらはすべて政府の政策の下で実施することができ、千年の伝統文化はとても良い形で伝承されている。私達は十分な宗教の自由を享受し、すべての仏教活働を行うことができる」と述べました。
僧侶のサゾさん
寺院僧侶の勉強について、僧侶暦32年のサゾさんは、「私たちは毎日(午前8時半から午後4時まで)修行している。座禅して勉強し、優秀な僧侶になることを目指して、56の民族の団結のために調和の手本の役割となっていきたい」と語りました。
科迦寺の図書室
ここ数年、科迦寺の文化財保護の強化、寺院のインフラ環境の向上が行われています。参拝者の利便性を高めるため、経道が整備され、僧侶の読経学習のための新たな宿舎、図書室、ジムなどが建設されました。
転経をしている83歳のツァンマさん
転経をしている83歳のツァンマさんは、「寺に来るたびに気持ちが明るくなるため、今は毎日転経に来ている。寺は古くからあるが、転経の道路やトイレなどの公共施設は新しく整備されたものだ」と述べました。
僧侶のユンライガさん
寺の若手僧侶のユンライガさんは、「今、寺の中の環境はとても良く、仏事の勉強以外にも寺のジムで運動し、SNSで家族や友達と連絡を取っている。ここでの5年間の勉強を通じて、私は釈迦牟尼仏がいったい何を言っているのかを理解した。人生と生死はすべて無常であり、心を修めて座り込むことを通じて、心は比較的に穏やかとなる」と述べました。
ジムで運動する僧侶たち
住職のソマレンゾウさんは、「宗教信仰自由の政策の下、私たち僧侶の衣食住などの各方面はすべて心配することなく過ごせている。その恩に感謝するため、私たちの寺院と僧侶は感染症の被災地に自発的に寄付を行い、湖北省武漢市への寄付・救援活動を展開し、計10万8050元を寄付した。また、本村の貧困世帯のために物資を送り、貧困脱却の堅塁攻略事業のために力を捧げている」と述べました。
僧侶のサゾさんが全員を代表して祝福
最後に僧侶のサゾさんは寺の僧侶全員を代表して、「世界の平和のために、感染症が一日も早く終わるよう、私たちは毎日、読経して祝福を祈る」との言葉を寄せました。(取材・写真:趙雲莎)