北京
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23/19
中国の感染症との戦いの中で、心温まるシーンがたくさんあったが、化粧好きな女性の心に響いたシーンは、国際女性デーに備え、国内の化粧品メーカーが重症患者の治療にあたる雷神山病院の女性医療者に、口紅を一本ずつプレゼントしたことであった。この一本の口紅のプレゼントからは、実に中国企業の大きな進歩が見られる。
まず、品質向上に向けた努力を上げられる。昔、国産化粧品というと、安ろう悪かろうのイメージが強く、意欲的に買おうとする人も少なかった。しかし、ここ2、3年、国内の化粧品メーカーが続々と登場し、新商品も次から次へと発売されている。2017年国産化粧品企業の小売総額は2514億元に上り、対前年比8.3%増の成長ぶりを見せた。
こうした努力が実り、国産化粧品の市場シェアも増えつつある。IT大手・テンセントの調査によると、2019年、国産化粧品メーカーの市場シェアは56%にまで上昇し、消費者調査の結果、「国内メーカーを選ぶ」と答えた人が42%で、「繰り返し買いたい」が9割にも達した。製造大国の中国は、ついに化粧品産業にもブレークスルーがあったことが裏付けられている。
一方で、買い手がインターネットで残したコメントの中には、「このアイテムって、発色もデザインもホントに国産ブランド?」、「ボトルからして海外ブランドに負けてない!」などが目立つ。また、故宮博物院などが開発するクリエイティブグッズとしてのコスメも登場し、「こういうシリーズを待ってた」との意見もあった。国内メーカーはそれぞれの企業文化を活かし、独自のスタイルのある商品に開発に創意工夫を凝らしている。
消費者に無頓着な経営から、お客様に愛用される新商品の開発でしのぎを削る企業への変身、これこそが中国の化粧品メーカーに起きた最大な変化と言える。
次に、企業の社会的責任の向上が上げられる。新型コロナと戦う医療従事者には女性医療者が半分以上の割合を占めている。化粧品メーカーは口紅の差し入れで、武漢に寄り添い、女性の医療従事者に寄り添う気持ちを届けようとしている。モノの需要にだけではなく、より美しい自分を目指す女性の心の奥までぬくもりを届けようとする行動に、企業の進歩が見られる。中国の化粧品メーカーの進歩、今後も引き続き発展したい。(CRI日本語部論説員)