【CRI時評】平等と相互尊重に基づき中米の経済貿易協議を推進

　中国の習近平国家主席は29日大阪で、米国のトランプ大統領と会談を行った。両指導者は、中米双方が平等と相互尊重を基礎として、経済貿易協議を再開することで合意。米国側は中国からの輸入品に対して新たな追加関税を設けないことを表明した。両国の経済貿易チームは具体的な問題についての議論を進めていく。

　中米両国の協議再開は、両国の民意に呼応し、全世界の期待に合致し、市場の緊張した情緒を緩和する積極的なシグナルとなった。

　中米両国は世界第1、第2の経済体であり貿易大国だ。両国が経済貿易の協力を進めるにあたり、一部で対立点が出てくることは正常だ。大切なことは平等な対話を通じ、相互尊重を維持し、対立をコントロールし協力を推進することだ。過去1年間余りに渡り、中国側は最大の忍耐心と誠意をもって、経済貿易についての米国側の関心事に対応し、双方がともに受け入れられる合意を達成しようと努力してきた。しかしながら、米国が絶えず圧力をかけたことで双方の経済貿易協議は挫折し、世界経済への下押し圧力をさらに強めることになってしまった。世界銀行は6月に発表したリポートの「世界経済の見通し」で、今年の全世界の経済成長を1月時点の予測から改めて0.3ポイント下方修正して2.6％に、来年についても0.1ポイント再度下方修正して2.7％とする予測を示した。米国の民間非営利調査機関であるコンファレンス・ボードは米国の消費者信頼感指数を2019年9月以来の最も低い水準である121.5にまで引き下げた。

　追加関税では問題を解決できず、全く逆の結果をもたらしてしまうことは、事実により十分に証明されている。平等な対話こそが、中米の経済貿易問題を解決することのできる唯一の道だ。今回決まった中米による経済貿易協議の再開は、問題解決に至る正しい軌道に立ち戻ったことを意味する。しかしながら、中米の経済貿易問題は複雑で錯綜しており、有効な解決に至るまでに苦労と努力が必要であることは間違いない。

　中米両国の指導者による今回の会談で、米国側は中国からの輸入品に対して新たな追加関税を設けないことを表明した。この表明により、中米が協議を再開するための条件をもたらされた。次に鍵となるのは、米国側が「行動派」になること、すなわち、「言ったからには、実行」して中国と向き合っていくことだ。中米が国交を樹立して以来の40年間の歴史は、力を合わせれば双方の利益となり、争えば共倒れになることを示している。協力は摩擦よりも良く、対話は対抗よりも良いことなのだ。中米間にある対立は、最終的にはやはり対話と協議により解決されねばならない。それは中国にとって有利であり、米国にも有利だ。さらには全世界とっても有利なのだ。

　今回のG20大阪サミットで、習近平主席は対外開放を加速するための5分野に渡る重要な措置を宣言した。具体的には「市場開放をさらに一歩進める」「輸出を自主的に拡大する」「ビジネス環境の改善を継続する」「外資に対する平等な待遇を全面的に実施する」「経済貿易交渉を大いに推進する」だ。これらはいずれも、中国自身がすでに定めたテンポと手配だ。米国との協議再開がどのような結果になろうとも、中国は終始、自らの道を揺らぐことなく歩み、自らすべきことをきちんとやり抜く。改革開放を通じて自らを絶えず強大にしていくことは、中国があらゆるリスクや試練に立ち向かう根本的な道だ。（CRI論説員　盛玉紅）