北京
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人口が特に少ないとされる28の民族の一つであるトールン族。雲南省怒江州貢山県のトールン江郷でわずか4000人余りが暮らしています。
ここは山間部で、利用可能な耕地面積は1人当たりわずか0.067ヘクタールです。主な農作物はトウモロコシとジャガイモですが、生産量はほんのわずかで、この辺りは僻地で中国でも特に貧しく閉ざされた地域となっています。
しかし2010年以降、国の支援を得て、生産や暮らしぶりが大きく改善しています。2014年に地元の道路にトンネルが開通し、毎年雪が降ると陸の孤島となっていた状況が一変しました。
トールン族は今、山あいのかやぶきの家から快適な新居に引っ越ししました。また、義務教育の9年間と幼稚園、高校を合わせた14年間の教育費が無償化されました。さらに、地元政府は森林資源への影響が少ない作物の栽培方法を村民に教えて、貧困脱却を支援しました。
トールン江は森林被覆率が93%に達し、林業で経済を活性化するのに適しており、2012年から草果やユリなど漢方薬の原材料の栽培を始めています。
そして、2009年にはたった900元であった農家1人当たりの所得額は2018年末に6122元となり、村の住民すべてが貧困脱却を果たしました。民族全体が貧困を脱却したのは中国で初めてのケースです。(殷、森)