北京
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開幕式の模様
「第二回寧海橋頭胡さくら祭り」が21日、浙江省寧海県で開幕しました。日本人企業家と地元の橋頭胡街道が提携して整備した桜花公園を拠点に去年から開催され、中日の民間の文化交流と高齢者自立支援を大きな特色にしています。
今年の桜祭りは前日祭から24日までの間に、グルメ、お茶、いけばな、書道、音楽のほか、介護予防や日本の介護制度の紹介、認知症対策などをめぐる講演、パネルディスカッション、ロールプレイングなどが行われます。茶道やいけばなの師範、歌手、福祉専門家など50人が神奈川、東京、富山から参加しています。
桜祭りを文化交流と高齢者自立支援と絡めて企画したのは、20年前から寧波市で製造業の工場を作り、今は、寧海県に拠点を置くコンサルタント会社会長の山森一男さん(85歳)です。山森さんは「若くて有能な中国人スタッフは、病気になった両親の介護で仕事をやめざるを得ないのを見て、何とかお手伝いできないかというのが出発点だった」と振り返ります。そうした考えに基づいて、高齢になっても自立し、健康で生きがいを持てるという意味の「健幸長寿」社会作りの実践として、日本の高齢者介護の理念を導入したデイケアセンターを橋頭胡街道と共に整備しました。
昨年に続いて、今年も出席した富山県氷見の高齢者施設は、さくら祭りの参加がきっかけで、これまでの一年、中国から経験やノウハウを求めて訪れた視察団を3回迎えたということです。また第1回桜祭りの参加をきっかけにして、その後、現地のデイケアセンターで図工、裁縫などを指導するために毎月東京から通い続けている日本人ボランティアも現れ、人的往来が活況を見せています。
なお、21日に行われ、地元住民約1000人が出席した開幕式では、社会各界に敬老の意識向上を呼びかける「橋頭胡街道敬老服老ボランティア連盟」も正式に発足しました。
2015年現在、中国では60歳以上の人口が総人口の16.1%に達し、2億2千万人に上っています。この中、橋頭胡街道は総人口28000人のうち、60歳以上が8000人を占め、高齢化社会への対応は避けられない課題に直面しています。関係者は今後も交流が深まっていくことに期待を示しています。(王小燕)
デイケアサービスセンターで行なわれた講演会の様子