中国映画のキ・セ・キ~中国改革開放40年~

2018-12-08 11:53  CRI

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 毎週お届けしている「チャイナビジョン2018」、今回は、このコーナーのメインテーマである改革開放40周年にちなんで、この中国映画の発展史を振り返ってみたいと思います。

 お相手は私、みん・いひょうです。

 1978年に施行された中国の改革開放政策。それから40年の間に、中国映画は体制面から制作面に至るまで、全ての面で大きな変革を起こしてきたほか、海外の大作も開放の波に乗り次々に中国に上陸し、中国映画の成長にも大きな刺激を与えてきました。この40年の歳月は、近代中国映画の高度成長期ともいえる時期となったのです。

 1978年5月、中国映画に多大な影響を与える人材を輩出してきた名門大学「北京電影学院」が一般に向けた新入生の出願受付を再開、これをきっかけに、中国映画は歴史の新たな1ページをめくることになります。改革開放の門出ということもあり、過去の戦争や文革の日々を反芻し、中国社会が経験した痛みを振り返る思潮のうねりの中、78年から80年代にかけては、『小花』、『少林寺』、『芙蓉鎮』などバラエティーに富んだ秀作が数多く制作されました。

 1983年5月、広西電影制片厂(映画制作所)で平均年齢27歳の「青年撮制組(制作チーム)」が結成されました。これは後に、中国の第5世代監督の原点とされています。あの時代の象徴であり、かつ現在の中国映画にも深い影響を与えた第5世代の監督といえば、その代表人物には、陳凱歌(チェン・カイコー)や張芸謀(チャン・イーモウ)といったそうそうたる名前が上がります。日本では『黄色い大地』の邦題で紹介さたた1984年の『黄土地』は、陳凱歌(チェン・カイコー)監督の代表作であり、撮影はあの張芸謀(チャン・イーモウ)が担当しました。中国陝北地域の田舎を舞台に、一人の女性が運命に翻弄されながらもたくましく生きていく姿を描いた力作で、第5世代の監督の作品の中でも記念碑とも言える1作となりました。この作品は、陳凱歌と張芸謀という強力なドリームタッグによる作品としても知られますが、これ以降、2人はそれぞれ一人の監督として、独自の視点から第5世代の監督の世界観の魅力を広くアピールするようになっていきます。

 そして1988年、この年は、中国映画にとって極めてめでたく、得難い1年となりました。張芸謀(チャン・イーモウ)監督のデビュー作『紅いコーリャン(原題:紅高粱)』(1987)が中国人監督初の金熊(ゴールデン・ベア)賞(ベルリン国際映画祭コンペティション部門のグランプリ)に輝き、同年の第60回米アカデミー賞では、イタリア・イギリス・中国合作映画として日本でもよく知られる『ラストエンペラー(原題:末代皇帝)』(1986)も最優秀作品賞、最優秀監督賞をはじめ、9部門を独占する快挙を達成しました。この年は、中国の映画や文化の魅力が全世界に知れ渡った一年だったと言えるでしょう。

 80年代後半から90年代前半にかけ、張芸謀(チャン・ イーモウ)監督と鞏俐(コン・リー)の黄金コンビによる作品『紅夢(原題:大紅灯篭高高掛)』(1991)や『秋菊の物語(原題:秋菊打官司)』(1992)など、世界映画史にも名を残す数々の名作が続々と生み出されました。

 そしてその後、1993年には、当時の国家ラジオ映画テレビ部が『眼下の映画業界の体制改革に関する意見書』の内容を実行に移し、中国映画の制作配給モデルが、計画経済体制の機械的な配分から、実際の売れ行きが興行に反映される市場経済体制へとモデルチェンジを開始します。これは独占から市場化への変化につながる重要な一歩でした。

 同年には、当時の中国映画界の代表格とも言える陳凱歌(チェン・カイコー)監督の『さらば、わが愛/覇王別姫』がカンヌ国際映画祭の最高賞=パルム・ドール賞をはじめ、ゴールデングローブ賞の最優秀外国語映画賞など、国際的な映画賞を次々に獲得しました。この快挙はいまだに誰にも超えられていない中国映画の最高峰ともいえる栄誉でした。

 その後、1997年には、大陸初のお正月映画が登場します!それは馮小剛(フォン・シャオガン)監督の『夢の請負人(原題:甲方乙方)』です。これをきっかけに、中国では年に一度の春節映画商戦がスタートすることになり、笑えて、そしてホロリと泣ける馮小剛スタイルのコメディー映画が毎年春節の時期に国内全土で注目を集めるようになりました。

 続いて1999年には、中影集団(CFGC)が発足。これは、海外作品の輸入権を政府に認められた国内唯一の映画制作配給グループ企業で、中国の映画産業における「先導車」のような存在とされ、現在は45の子会社や映画チャンネルなどを擁する総資産28億元の超大手に成長しています。

 明けて2000年には、李安(アン・リー)監督の名作『グリーン・デスティニー(原題:臥虎蔵龍)』が中国で一般公開されます。この作品は翌2001年の米アカデミー賞最優秀外国語映画賞を受賞しました。中国映画のアカデミー賞受賞はこれが史上初であり、現在まで唯一の受賞作品でもあります。この作品は、同時に台湾の金馬奨や香港の金像奨最優秀作品賞にも輝きました。カンフーや東洋美学など、中国要素満載の作品であることから、中国文化が世界的に注目されるきっかけにもなりました。

 そして2002年には、中国映画界の新時代の狼煙ともいえる「映画館系列改革」が実施されました。映画史上最も重大な改革として知られるこの動きのおかげで、当時国内に2000枚足らずであった映画スクリーンの数が、現在では大陸だけでも5.4万枚に増え、世界1位となる流れが始まります。

 さらに2003年に発効したCEPA(大陸・香港経済連携緊密化協定)により、香港と大陸の映画共同制作が本格化します。2004年1月1日からは、それまで存在していた香港映画の上映本数制限が実質上取り消されることになり、合作映画が増え、作品のクオリティも大幅な向上を見せます。

 そんななか、真田広之も出演した陳凱歌(チェン・カイコー)監督の『PROMISE 無極』が2005年に公開されました。1.8億元という高い興行成績を収めながらも、怒涛のような酷評を浴びたことはまだ記憶に新しいかもしれません。人気監督に国際派俳優、古代ファンタジーという人気題材に高額な制作費という要素が揃っただけあって、ファンが泣いて喜ぶ待望の超大作とされていましたが、公開後の評判はなかなか厳しいものでした。昨年、チェン監督は『空海-KU-KAI-美しき王妃の謎(原題:妖猫伝)』を発表、こちらも同じく古代ファンタジー作品でしたが、かつての失敗のイメージは払拭できたのでしょうか?今後の動きにも注目したいところです。

 さて、2000年代半ば以降は、第6世代監督の活躍から目が離せません。その代表人物は、賈樟柯(ジャ・ジャンクー)監督です。2006年には、賈樟柯(ジャ・ジャンクー)監督の『長江哀歌(原題:三峡好人)』(2006)がベネチア国際映画祭で最高賞の金獅子賞を受賞。独特な文芸作品路線を歩み続けたジャ監督が、強い中国色を持った作品を世界に紹介することに成功しました。

 2008年になると、全国のスクリーン数は4000枚を超え、興行収入1億元台を突破した中国映画は計8本、真の「大作時代」が到来します。同時に、市場の開放に伴い、より多く洋画が中国に上陸、初の3D実写映画(ジュール・ヴェルヌ原作の冒険SF小説を映画化した『センター・オブ・ジ・アース(中国題:地心歴険記)』)の登場も大きな話題となりました。当時は最新技術としてもてはやされた立体デジタル撮影装置ですが、今時の映画シーンではもはや当たり前のものとなっています。時代の流れを感じます。

 そして、2010年の初めに「IMAX 3D」の魅力を全世界に見せ付け、「ビジュアル革命」を巻き起こした『アバター(中国題:阿凡達)』も中国の映画市場を盛り上げてくれた作品の一つです。当時、北京にはIMAXを備えた映画館がわずか3店舗しかなかったため、この作品をIMAXで鑑賞するために連日長蛇の列ができるほどの人気ぶりで、チケットが発売30分で完売という映画館も少なくありませんでした。

 こうしたスクリーン数の急増や観客動員数の急増に従って、興行収入の記録も相次いで更新されています。 2015年には、中国で20億元の大台を突破する国産映画がついに誕生します。それが、『シュレック3』で知られる「帰国派」監督、許誠毅(ロマン・ヒュイ)の力作『捉妖記(モンスター・ハント)』でした。 2016年になると、今度は興行収入30億元を達成する国産映画が誕生しました。同年の旧正月に公開された周星馳(チャウ・シンチー)監督の作品『人魚姫(原題:美人魚)』は、最終的な興行収入だけでなく、中国映画史上の初日記録、日平均記録、初動記録をそれぞれ更新。さらに、2017年には、世界から注目を浴びた奇跡の中国映画『戦狼2(Wolf Warriors 2)』が、国産映画の興行記録を一気に56億元まで伸ばしてしまいます。本作は、中国のアクション俳優、呉京(ウー・ジン)が主演と監督を務めた主旋律映画で、『戦狼 ウルフ・オブ・ウォー』の邦題で日本での上映も果たしています。

 最新統計によりますと、今年の1月から11月までの間に大陸部で公開された作品の総合興行収入は史上最高の559億元に上り、中国は名実ともに世界最大の映画市場に成長しています。

 「チャイナビジョン2018」、今日は中国改革開放40年にちなんで、この40年間にわたる中国映画の発展を振り返ってみました。お相手はミン・イヒョウでした。

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