北京
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二十三日、習近平国家主席が珠海で行われた香港・珠海・マカオ大橋の開通式に参加し、大橋の正式開通を宣言した。この瞬間を以って、足掛け十五年の期間を費やした全長五十五キロにわたる「スーパープロジェクト」は、正式にその任に当る事となった。
大橋は初めて珠海・マカオ・香港の陸路での連結を実現し、開通後には香港から珠海やマカオまでにかかる時間が以前の三時間から四十五分に短縮され、三都市間の距離を大幅に縮める事となり、広東・香港・マカオグレーターベイエリアの発展をスピードアップし、グレーターベイエリアで「一時間生活圏」が実現されることも現実味を帯びてきている。
大橋の建設に当たっては、新材料、新工芸、新設備、新技術が惜しみなく投入されており、実用新案申請のみでも四百件を超え、多分野においてのイノベーションが進められた。大橋管理局の蘇権科ゼネラルエンジニアはこれを「この橋は文字通りテクノロジーの橋であり、イノベーションの橋だ」と評価する。
例を挙げれば、風速五十メートル級の台風やマグニチュード七の地震にも耐え、寿命も百二十年に達するとされる他、世界最大規模の鋼橋ブロック構造、世界最長の海底トンネルのフローティング工法による施工、二つの人工島のスピード形成等の技術はいずれも多くの世界記録を打ち立てている。
大橋は大陸部の右側通行ルールを採用、車両が香港やマカオのイミグレーションに到着後、ドライバー自らガイドに基づく形で通行サイドの変更を行う事となる。ここで注目すべきは、大橋の建設プロセスにおいては、この水域のシナウスイロイルカの数量が二〇一〇年の千二百頭から今日の二千余頭へと増加し、人と大自然の調和のとれた共存を実現している点だろう。これらは全て大橋のデザインと建設における総合力を体現するものであり、英『ガーディアン』紙をして「新・世界の七不思議」の一つとして讃えるところだ。
大橋はチャイナ・イノベーションの最新の例証と言える存在だ。過去から今日に至るまで、イノベーションの精神は中華民族の最も目覚ましい能力であり、中国が発展を続ける上での強大な牽引力だ。改革開放政策施行から四十年来、特に最近の五年間においては、イノベーション駆動型発展戦略とイノベーション型国家の建設目標のリードの下、中国が人民の幸せな生活を希求する思いを満たすことをテクノロジー・イノベーションの着地点として、中国の特色あるセルフ・イノベーションの道のりを切り開いて来た。二〇一七年には、中国のテクノロジーの進歩の世界の経済成長における貢献率が五七・五%に達し、「二〇二〇年には六十%を達成する」という目標に接近しており、実用新案申請量も百三十八万二千件で、七年連続で世界のトップをキープ、そして二〇一八年には世界知的所有権機関(WIPO)が発表する世界イノベーション指数で初めてトップ二十に浮上している。
大橋開通の前日のこと、習近平主席は珠海横琴新区を視察に訪れ、「製造業は実体経済の要であり、製造業で最も重要なのはイノベーション、それはキーテクノロジーを手にすることであり、自力更生の精神に頼り、セルフ・イノベーションにより獲得することを是としなければならない」と強調している。これこそは中国の最高指導者がイノベーションの発展について示したスタンスであり、改革開放政策施行四十周年を迎えるにあたり発せられた「イノベーション再出発」の号令と言うべきだろう。
多くの人々が気づいているように、広東・香港・マカオグレーターベイエリアの建設の目的の一つに世界のテクノロジー・イノベーションの中心地となることがある。この瞬間に立ち会った我々は、香港珠海マカオ大橋の開通を皮切りに、グレーターベイエリアのイノベーションの新たな火花がより激しい輝きを発し、中国経済のハイクオリティな発展をリードし、より多くのイノベーションの成果が人民の幸せな生活を照らしてくれるであろうことに確信のようなものを胸に抱くのである。(CRI論説員 盛玉紅)