【CRI時評】中国人の内側にあるコア・コンピテンス

2018-10-02 17:01  CRI

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国慶節当日に新疆輪台のタリム河北岸にある中国石油化学西北油田阿探石油加工ステーションで働く“師匠”許鵬氏と“弟子”何変雄氏。©東方IC

 数年前、ブラジルの大学生が北京に友人を訪ねた際、退勤時間にはまだ早かったことから、オフィスの片隅で友人を待つことになった。初めて中国を訪れたその若い友人は、夕食の席で、「六時過ぎまで職場にいるなんて、中国人はおかしいよ!」と痺れを切らした様に呟いた。

 しかし、これは特別な話ではない。『エコノミスト』誌にはこんなエピソードも載っている。ドイツに留学し、間も無く帰国を控えた中国人留学生(女性)がドイツ人に対する印象として、「ドイツ人はダレ過ぎ」と語ったという。この一言は周囲をひどく驚かせた。そもそも、西洋ではドイツ人が勤勉で通っていたからだ。

 中華民族の勤勉さは、大多数の中国人にとってそれほど驚きに値するものではないだろう。子供の頃から両親や祖父母に「勉強に精を出して、進歩し続けなければならない」と言いつけられてきたからだ。農耕文明を基盤とする中国の伝統文化の中で、我々は常に「業は勤勉なれば磨かれ、油断あれば廃れる」「働くものは報われる」「勤勉であれば未熟は補われる」と戒められてきた。中国近代文学の巨匠魯迅も嘗て「天才などいやしない。私は他人が珈琲を飲む時間を仕事に注ぎ込んできただけだ」と述べている。

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安徽省滁州市の1100人を超える電力ワーカーは国慶節返上で業務を続ける。©東方iC

 過去40年の中で、中国は一般には想像しがたい成果と進歩を成し遂げてきた。これは改革開放という戦略決定によるものである他に、中国の人民の働きがあってこそのものだ。彼らの勤勉な働きは、家庭を変え、社会を変え、国家さえも変えてきたのだ。

 中国人の勤勉さについては、海外メディアにはしばしば中国が海外で投資を行う際に中国人労働者ばかりを雇用し、現地で雇用を生まないと指摘する向きもあるが、そのやり方が合理的かはさておき、何故中国人がいつでも残業を受け入れるのか、何故中国の労働者が納期と質をキープできるのかという点については議論されることがない。あるいは、こうした苦労を厭わず、よく働き、効率的な一面は、一般の中国人の内面のコンピタンスによるものなのかもしれない。

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マイケル・モリッツ氏が『フィナンシャル・タイムズ』紙に発表した文章(スクリーンショット)

 セコイア・キャピタルのパートナーであるマイケル・モリッツ氏が、この点について『フィナンシャル・タイムズ』紙にシリコン・バレーは中国の同業者に学ぶべきとの文章を寄せたことがあった。氏は「中国では、マネジメント層は朝八時には仕事を始め、夜十時を過ぎてやっと家に帰る。彼らの大多数は、毎週六日働き、そのうち結構な人数が休みなく働いている。春節と国慶節の一週間の連休以外は、大多数が数日の休暇しかとらない」としている。

 また、この勤勉と努力というキーワードは、一般の中国人とビジネスマンだけに限ったものではない。政府の役人らも想像を遥かに超える勤勉さを持っている。筆者が外国に駐在していた時のこと、政府ミッションの通訳として仕事をしたことがあった。二週間のスケジュールの中、彼らは毎日そこら中を飛び回っていた。昼間、会談や交渉がびっちりと詰まっていたかと思うと、夕方には空港に走り、次の目的地に飛ぶのだ。次の日も同様に忙殺され、それが帰国の途につくまで繰り返される。初めて政府のミッションと近距離で接した私は、「ここまで全身全霊を仕事に傾けるスタッフがいるとは。共産党の強さはここにあったのだ」と感服したものだった。

 一国の政府のパフォーマンスの如何は、人民が自ずとそれを評価していよう。ロイター社は今年のニュースのなかで、2018年「エーデルマン・トラスト・バロメーター」を引用し、中国の民衆の政府への信任度は84%に、高学歴高収入のセグメントではそれが89%に上り、ともに世界の首位につけていることを報じている。

 こうした信任は全て、友人との楽しいパーティの途中にも関わらず電話でオフィスに呼び戻されていく人々や、毎日24時間指示待ち状態にある人々、そして週末も休暇もなく一心に仕事に打ち込む人々の努力が積み重なったものだ。

 今日の中国はまだ「勤勉を促すことはポリティカル・コレクトネスの範疇だ」とする段階まではいかないまでも、国家は人々が休息する権利について立法化し、それを保護している。しかし、仮に中国が高度に発展した社会になったとしても、中国人は「勤勉」という数千年に渡って守ってきた価値観を捨てることはないだろう。さもなくば、中国の人々は自らを見失い、どこに向かって進むべきかすらもわからなくなってしまうだろうからだ。

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王帅