【CRI時評】国際貿易システムの改革は三つのコンセンサスを基礎にせよ

2018-09-21 21:46  CRI

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 今週、欧州委員会とカナダが相次いでWTO改革のコンセプト文書と草案を提示した。だが、1週間後には、WTO上級委員会のモーリシャス籍のセルバンシン裁判官の任期が終了、WTO上級委員会は正常な運営が不可能な状況に陥ることになり、世界の多国間貿易体制は史上最も深刻な危機的状況を迎える。

 WTOの裁定メカニズムは世界の多国間貿易体制の核をなすものであり、上級委員会はWTOの裁判所にあたり、加盟国の貿易争議について最終的な裁定を下す権利を有し、この委員会の正常な運営は、同時にWTOの存在の有効性を決定している。8月27日、米国はセルバンシン氏の二期目任命を否決。これによって米国が11ヶ月連続でWTOの裁判官任命を妨害したこととなる。そしてこのことは、セルバンシン裁判官が9月30日に任期満了で退任後、上級委員会には裁判官3人しか残らぬことを意味し、さらに、この人数は貿易訴訟の審理に必要な裁判官のギリギリの人数となる。もしもこの中から忌避やその他の理由から審理に参加できないケースが生じた場合、上級委員会は正常な作業を開始できず、果てにはWTOの存在価値を失わせることになってしまう。さらに、一説によれば、2019年末には、この委員会には一人しか裁判官がいない状態になりかねないともされる。

 こうした点からもわかるように、WTOの紛争解決メカニズムの無力化を回避するかと言う問題は、既に現在のWTO改革における喫緊の任務の一つとなっている。そして、その改革を如何に前進させ、世界の多国間貿易体制の活力を蘇らせ、世界経済の持続的発展と繁栄を後押しして行く為には、世界の主要経済国が以下のようなコンセンサスを形成して行く必要がある。

 一点目は、米国の上級委員会への妨害を解消することだ。米国は「政権交代」を理由に上級委員会の裁判官選出プロセス始動を妨害し、その後もまた立て続けにWTOは改革が必要などの様々な理由を持ち出しては妨害を行ないながら、ソリューションを提供したことはまるでない。欧州委員会とカナダが今週相次いで提出したWTO改革コンセプト文書と草案は、いずれも米国のWTOの裁定制度に対する挑戦的行為に深刻な憂慮を表明している。カナダは草案の中で、WTOの紛争解決制度の強化と継続を求めている。一方で、欧州委員会は警告を発し、もしも米国が今後も上級委員会の裁判官選出プロセスを妨害するようであれば、WTOの紛争解決制度は長くとも2019年12月までしか継続できないだろうとする。

 米国の提示した案件審理に「90日間の期限を設ける」問題については、欧州委員会は関連条項を「いかなる状況においても、関連加盟国が同意しない限り、処理プロセスは90日を超えてはならない」と改訂することを提案、上級委員会のメンバーの問題についても、現在の7人体制を9人体制にすることで、委員会の処理スピードを引き上げると共に、構成比率の地域バランスをはかっていけるとの考えを示している。

 二点目は、保護主義と単独主義を檻に閉じ込めることだ。WTO上級委員会の裁判官任命手続きの妨害の他にも、米国は貿易争議の処理に当たってWTOを無視し、米国の国内法を用い、世界の主要経済国に対し追加関税を課し、それらの国に対し米国への服従を迫り。米国の一方的な交渉条件を呑ませようとしている。こうした単独主義と貿易保護主義の手法は、WTOの権威を深刻に損ない、世界の多国間貿易ルールを台無しにするものだ。

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 対応策として、欧州委員会とカナダは共に、現行の貿易ルールの「近代化」改革を行い、WTOの加盟国の貿易行為に対する監督役割を強めるべきとの提案を行なっている。今年に入り、欧州委員会は前後して米国、日本との間に交渉の場を設けた他、米国と中国との間にそれぞれWTO改革ワーキンググループを設置、他にもG20の加盟国とコンタクトを保っている。こうした方法は、一方で一部の国家の主要な関心事をフォローしながら、一方では単独主義と保護主義を制限するものと言える。

 三点目には、合議による一致の原則を堅持することだ。王毅国務委員兼外交部長は先頃、国際貿易体制の改革プロセス推進を検討する中で、「WTOのコア・バリューと基本原則、発展途上国の正当な合法的権益、合議による合意の精神のいずれも失われるべきでは無い」と述べた。目下のWTO改革に関する提案の多くが先進国によるものであることに鑑みても、交渉による一致の精神と発展途上国の正当な合法的権益を守ることは極めて重要なことに映る。これは正に王部長の「WTO改革の目的は各国がより公平にグローバリゼーションの成果をシェアできるようにすることであり、南北の差を更に広げることでは無い」との一言に現れているように、WTO改革は各国の極めて切実な利益に抵触するものであり、広範かつ十分な協調や、各国の意見の聴取、特に発展途上国の意見を聴取することが求められるようになろう。

 事実、「合議による合意」の原則はWTOの交渉メカニズムの基本原則の一つとして存在し、実力の不均衡な先進国メンバーと発展途上国メンバーの権利と義務のバランス化に働いている。この点について、あるアナリストはこうも語る。「一部の加盟国は「合議による合意」の原則がWTOの交渉の効率を低下させているというが、もし交渉の結果が合議による合意に則ったものでなかったならば、加盟国に従わせることも難しくなるだろう」。

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王巍