北京
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第4回東方経済フォーラムがロシアの極東都市ウラジオストクで開催されています。今年のフォーラムは、メディアをはじめ、各界から例年以上の注目を集めています。その理由について、国際貿易投資研究所(ITI)の研究主幹を務める江原規由氏は、「中国の習近平国家主席が初めて招待を受けて出席したことが大きい」と分析しています。
中国政府は、第一回東方経済フォーラムからハイレベルの訪問団を派遣してきました。そして今回、習主席が自ら出席することを決めた背景には、中露両国の良好な関係があると、江原氏は考えています。今年の6月に、プーチン大統領は新たな任期になって初めて中国を国事訪問し、その際に、習主席は中国第一号の「友誼勲章」をプーチン大統領に授与しました。翌7月のBRICS首脳会議で、両首脳は再び会談を行いました。そして今回の東方経済フォーラムが、今年3回目の首脳会談の場となります。両国関係はさらに緊密になることが期待されています。
極東地域における、関係各国との経済協力の強化は、中国国内の改革開放政策の延長線にあると、江原氏は主張しています。同氏はフォーラムで、「世界とうまく協力しようという中国の姿勢が出ている。中国にとっては、世界にアピールする良い機会だ」と語り、こうした動向を「世界経済にとって非常に好ましい状況」と評価しました。
北東アジア地域では、二国間と多国間の経済協力が盛んに行われています。日中韓自由貿易協定(FTA)の交渉は加速しつつあり、中国・モンゴル・ロシア経済回廊はすでに効果が表れています。また、韓国と朝鮮も経済協力に向けて動いています。
「東方経済フォーラムを通して、東北アジア諸国が多極的な経済発展のシグナルを発信し、これをきっかけに極東地域が世界のホットプレイスになると信じている」と江原氏は語ります。その上で、「特に、中国政府が提唱した『一帯一路』構想に、より多くの国が賛同した背景下で、『一帯一路』と極東地域の経済発展がどのように融合し相互促進していくのかという点について、注目を続けたい」と述べています。(取材、文責:李軼豪東京特派員)