北京
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中国商務部が発表した外国資本に関する最新のデータによると、今年1月から7月までに国内に設立された外国企業の数は、前年同期比99.1%増となる35239社であった。また、外資の利用実績額は同じく2.3%増の4967億1000万元であった。このうち7月については、設立社数は113.1%増の5648社、実績額は14.9%増の504億2000万元であった。
以上の数字から、中国の外資導入は安定成長を続けていることが分かる。そしてより重要なのは、その質が徐々に向上していることであり、低付加価値であった従来型の加工や組み立てから、付加価値のある技術的製造へとシフトしている。商務部によると、ハイテク業界における7月までの外資の利用実績額は前年同期比7.5%増で、全体比では21.5%となっている。この中で、品種別の増加率を見ると、デジタル・通信設備が40.3%増、コンピュータや事務機器が63.7%増、医療機器やメーターなど測定機器類が149.2%増となっている。
地域別に見ると、自由貿易試験区や西部が新たな成長スポットになっている。また出資元を見ると、国別で中国への投資が最も伸びているのが英国で86.1%の増加、そして「一帯一路」の沿線各国については29.8%増となっている。
目下、米国が貿易戦を仕掛け、国際経済の情勢が複雑化しているにもかかわらず、外資導入について中国がこのように目覚ましい成果を上げているのはなぜだろうか。
まず、中国は今、ビジネス環境の改善を進めて投資の制限を緩和している。経済協力開発機構(OECD)の投資制限指数を見ると、中国は2015年以降、連続で4つ順位を下げ、環境改善に努めていることがわかる。そして中国政府は6月に、金融、資源、農業の各分野で外国企業の参入を全面的に緩和する策を打ち出し、農業、鉱業、文化、ネットワーク通信などで参入条件を緩めて、多くの外国企業を呼び寄せ、または中国での投資拡大を果たしている。
次に中国は、産業チェーン、生産能力、市場といった面で優位性に立っており、外国企業の生産活動を支援する体制を整えている。今年3月から中米間で貿易摩擦が始まってはいるが、BMWやテスラなどは中国での生産をさらに増強している。この主な理由は、中国がグローバルな産業チェーンやサプライチェーンにおけるキーポイントであり、外国企業に対してスピーディーでトータル的なサポートができるからである。
3つ目は、中国は開放を拡大していく決心や行動を示しており、これは保護貿易主義が再燃している現在、とりわけ重要である。「一帯一路」やASEANとの連携といった、枠組みの構築に取り組み、また新興5カ国(BRICS)の連携強化や他国間貿易体制の維持に努めている。中国は今も外国企業が押し寄せており、グローバル資本や多国籍企業から十分な自信や期待が持たれていることが分かる。そして、多国間貿易体制の維持や、開かれた経済の構築へ重要な役割を発揮している。
改革開放がスタートしてちょうど40年。去年、スイスのダボスで行われた世界経済フォーラムで、習近平国家主席は2017年から2021年までの5年間で6000億ドル分の投資を受け入れると述べた。中国は、外国企業がさらに利益を積み上げられるように、これからも自信のペースに沿ってさらに参入規制を緩和し、より活力のあるビジネス環境を打ち立てていくだろう。