改革開放40年、職業の変遷を裏付けた人生の起伏

2018-07-07 10:39  CRI

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 鉄道の転轍手(てんてつしゅ)、綿打ち職人などの職業は、今の若者にとって遠い昔の存在、延いては想像すらつかない職業になっていますが、その一方で、ドローン操縦士、プログラマーなど、40年前にはイメージのしようもなかった職業が、今や世界で一番注目を集める職業になっています。改革開放政策が展開されてきたこの40年の間に、変わったものとしては、経済規模にばかり目が行きがちですが、社会の分業、職業の選択肢はそれ以上のスケールで音を立てて変わってきたと言えるのではないかと思います。

 この40年の間、「労働者、生産者、軍人、学生、ビジネスマン」を主とした単一的かつ伝統的な職業体系には極めて大きな変化が起こり、細分化と新たなビジネス環境の誕生の中で、職業体系は再構築されてきました。そして、その荒波の中で、それぞれの個人もまた、時代と環境の変化が自らの生活にもたらす変化に適応しながら、起伏の中を生き抜いてきました。

消えゆく「かつての人気職業」

 安貴濤さん(55歳)は中国鉄道北京局グループ有限公司の門頭溝駅で35年間、転轍手として勤めてきました。彼の主な仕事は、当番駅員の指示に従い、線路の分岐器(ぶんきき)を正確かつ時間通りに動かし、車両が順調にホームに入ることを確保することでした。

 これは体力の要る仕事で、極めて責任の重い仕事です。かつて門頭溝駅の近くには8つの炭鉱があり、石炭を輸送する列車で賑わっていました。安さんの記憶では、一番忙しい日には一日で200回以上も分岐器を動かす必要があり、昼ごはんを食べる暇すらなかったということです。

 ですが、生産技術と生産工程の革新によって、鉄道業では、自動分岐器を使うことが多くなり、安さんのような転轍手も日に日に少なくなっていきました。

 この転轍手と同じ境遇に遇った職業には、万年筆の修理職人、鍋の修理職人、ポケットベルのオペレーターなど、かつてはよく知られていた職業があります。

 2015年、人力資源と社会保障部などの省庁が公布した改定版の『中華人民共和国職業分類大典』では、205の職業がリストから抹消されました。

 人力資源と社会保障部職業技能鑑定センター標準課の葛恒双課長は、「科学技術と生産力の向上によって、人々の生活の中身が豊富になり、社会の需要構造も変化してきている。一部の過去に人気のあった職業が淘汰される間際に瀕しているのは、変化に追い付くタイミングを逃したことによるものだ」と、語ります。

 また、北京大学職業研究所の陳李翔副所長は「このような『消失』の傾向は、ある種の新陳代謝と言えるもので、職業の構造転換の促進に有利になる」と述べています。

需要のアップグレードが迫る伝統職業の細分化

 「調理師はご飯や料理を作るものだと思う人が多い中で、ハイクオリティな生活へのニーズの高まりが調理師の細分化を生んでいて、私のようなパン職人も生まれています」と語るのは、蔡葉昭さんです。蔡さんは安徽省蕪湖市の出身で、今年23歳。この若さですが、なんと昨年開かれた第44回技能五輪国際大会のパン製造部門で金メダルを獲得し、現在、パン作りを教えています。

 社会が進歩し、生活レベルが向上するにつれて、人々の物質文化に対するニーズも多様化しています。かつてはお腹いっぱいに食べられることで満足していたものが、いまでは栄養やクオリティも重視するように変化し、それは調理師という職業の細分化を引き起こしました。その結果、中華料理の料理人、西洋料理のシェフ、公衆栄養士などの職業が生まれるようになっています。

 そのほか、理髪職人から細分化された美容師、エステティシャンなどの職業も、いまではサービス業の中で一定の地位を得るようになっています。また、獣医学専攻を基礎に細分化されて生まれたペット専門の獣医師も人気の職業となっています。

 改革開放政策が施行されてから今日に至るまで、技術のイノベーションによって、中国の製造業における主な職種も旋盤工、フライス工、研磨工、組み立て工などから、デジタルオートメーションへ、さらにロボット分野へと変化し、生産製造の精度と効率が大幅に高められてきました。

 「人々のよりよい生活に対する追求は、職業分野にも反映された。つまり、伝統的な『専門技術者』、『社会生産サービスと生活サービス従業者』は、ますます細分化が進むトレンドにある」と、中国労働社会保障科学研究院研究室の袁良棟主任は語ります。

 さて、先ほど掲載職種が減ったというお話をした2015年版の『職業大典』には、同時に新たに347の職業が新規登録されています。人力資源と社会保障部職業技能鑑定センター標準課の葛恒双課長は、「この変化は、より多くの伝統的な職業から細分化された職業が人々に認められることに有利になる」と語ります。

新しいテクノロジーが促す新たな職種の誕生

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 今年41歳になる辛建英さんは、江西省余江県の出身で、農作業のほかに、農薬散布ドローンの操縦もこなしています。

 「この無人機は10キロの薬を搭載できて、一回で8ムー(0.5ヘクタール余り)の作業量をこなすことができます。これまで、人手で散布していた時には、1ムーあたり20分間かかっていましたが、これだと2分間以内で終わってしまいます」と辛さんは語ります。

 今でこそ、経験豊かなベテラン操縦士の辛さんですが、初めてドローンの勉強をしたときの難しさはいまでも忘れられません。このドローンの操縦には、目がよいだけでは足りず、手先の感覚も求められます。ドローンは、そのリモコンに軽く触れるだけで、10メートル以上飛んで行ってしまいますから、気を抜くと、予定地から越えて行ってしまったり、障害物にぶつかってしまったりすることもしばしばです。そんな大変さもあり、辛さんは、当時一ヵ月もかかってやっと合格したのだそうです。

 「それまでは薬を背負って田んぼの中を歩いていたが、今は代わりにドローンが背負ってくれるから、畦(あぜ)道に立っているだけで散布をすることができる」という辛さん。「収入も増えました。1年のうち、数ヵ月の仕事で2万元の実入りがあるんですよ」と語ります。

 中国全土では、この辛さんのように、たくさんの農家の人々がこの新しい職業「ドローン操縦士」としてデビューを果たしています。

 こうした現状について、人力資源社会保障部職業技能鑑定センター標準課の葛恒双課長は、「科学技術化、機械化の農業分野での応用によって、大規模生産に適応できない職業が消えてゆき、一方で、ドローン操縦士や茶摘み機の操作技術者などのような新しい職業がどんどん生まれています」と語ります。

 科学技術の発展トレンドを歴史的に見ると、今後、スマートマニュファクチャリング、IoT、ドローン、電子ゲームなどの分野でより多くの新しい職業が生まれていくことになるでしょう。そして法律制度による規範化の流れの中で、これら新興の職業は既存の職業と同様に、社会の職業ピラミッドの土台の1つとなり、社会の発展に貢献していくことが期待されます。

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10月29日放送分
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