北京
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毎週土曜日にお送りしている「チャイナビジョン2018」。この番組では、中国共産党第19回全国代表大会以降の中国社会の変化に焦点を当て、変容を遂げる中国の様々な表情を取り上げてご紹介しています。
今日のお相手は私、劉叡琳です。
先月の10日、第5回中国ロボットサミット、並びに「スマート・エコノミー人材サミット」が浙江省の余姚市で行われました。今回のサミットは、「知識と行為の一体化、そしてAIとロボットの更なる融合」をテーマとし、69名の業界の最先端を走るエキスパートと研究者、220名の有名製造企業の責任者を含む1500人以上の業界エリートが世界各地から一堂に会し、ロボット業界やスマート・エコノミーの発展について議論しました。
サミットで発表された統計によりますと、2017年、世界のロボット市場の規模は金額にして232億ドルに達している他、グローバル製造業の分野における工業ロボットの使用密度も1万人当たり70台に上ったということです。また、中国でロボットの関連企業は6500社を上回り、それら企業は主として北京・天津・河北エリアと、長江デルタ地帯、珠江デルタ地帯に集中しているとしています。
統計からはそのほかにも、去年、中国にある工業ロボットの数が前年同期比68%増の13万台を突破し、国際市場で約三分の一のシェアを占めるようになった事がわかります。また同時に、中国が現在世界最大の工業ロボットの応用市場になっている事が読み取れます。
こうした情勢を踏まえ、サミットに出席した浙江省の高興夫副省長は、浙江省内におけるロボット+製造業の発展モデルを例に、浙江省でのロボットの利用状況について、このように語っています。
「伝統産業、製造業、インターネット+、AI+など、一部業界の生産工程の中では、ロボットがすでに作業員に代わる役割を果たしています。また、生産ラインの自動化改造や、IoI(Internet of Intelligences)、IIoT(産業のインターネット)などの建設が進展を遂げるとともに、技術モデルの改造が進み、製造プロセスのスマート化が加速されています。いま、浙江省で開発利用中のロボットの数は5万5千台に上り、全国をリードする存在となっています。」
サミットに出席中のスピーカーらは、現在、中国のロボット産業は得がたい成長のチャンスに恵まれているとの観点を示しています。これについて、中国国家製造強国諮問委員会の朱森第委員は次のように語ります。
「工業ロボットは製造システムの中でも最も重要なスマート製造設備です。製造システムの進化に伴い、人間による作業の占める割合が次第に小さくなる一方、人の知識や技能はシステムに占める割合はますます大きくなるはずです。中国における工業ロボットの密度は絶えず向上しており、2020年には、1万人当たりの工業ロボットが150台規模になるだろうと予想されています」
好調なトレンドの下にはありますが、政策によるリードの強化、財政金融政策による支援の合理化、企業のイノベーション主体としての役割の強化、国際協力と交流の深化、ロボット産業の良質な発展の促進などは、いずれも差し迫った課題だとの観点が参加者から示されています。
浙江省では、日本の川崎重工が1万平方メートルに及ぶロボットの加工工場を投資・建設し、すでに生産を始めており、年内にも幾つか型番のロボットの現地での量産化が予定されています。その川崎重工の責任者である稲田隆浩さんは、「協力・共栄・開放・融合は、時代発展の主流だ」と語ります。
「より多くの中国企業にロボットをご利用していただくことが可能となっております。現在、協力共栄、開放融合は時代発展の主流となっておりますので、この先も、ロボットに関する部品のローカル化を進めることと共に、核心技術を突破し、智昌ロボットと協力したい、ロボットの開発レベルを上げていくことを考えております。将来、ロボットの適任に関して、より多くの中国企業と連携関係を築くことを望んでおります。中国ロボット産業の発展および中国製造業のバックアップにわれわれの力を貢献していきます」
また、サミットの期間中、参加者たちはロボットとAI技術、人材、投・融資、イノベーション、起業などのホットな話題を巡る踏み込んだ討論を行い、業界の未来が示されたほか、「スマートマニュファクチャリング展示エリア」が設けられ、スマート家電、スマート化改造ソリューション、ロボット+による伝統産業の改革などをテーマとした供給側と需要側のニーズのマッチング会も開かれ、サミットの実効性が一段と向上されることとなりました。
「チャイナビジョン2018」、今日は中国のロボット業界とAI技術の融合の現状についてご紹介しました。
お相手は劉叡琳でした。
ではまた来週をお楽しみに。御機嫌よう、さようなら!