北京
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中国は今、世界最大の農産物輸入国となっていますが、生活レベルの向上にしたがって、高品質を求める傾向が高まっています。これによって、対外開放の新たな局面が形成しつつあります。専門家は「中国農業における国際協力、とりわけ農産物の輸入へのニーズが強まっていることに、世界中の農業大国が関心を寄せている」と見ています。
現在、中国ではコーヒーの消費は毎年20%のペースで伸びています。その主な収穫地は、意外にも西南部の内陸の都市・重慶にあり、世界最大のコーヒー産地になっています。その理由について、重慶コーヒー取引センターの責任者馮躍氏は、「この町はドイツのデュースブルクと直通の国際貨物列車がある。雲南省はもちろん、東南アジアや南アジアを含めたアジアの主なコーヒー生産地と欧州消費市場が繋がっている。その上、金融サービスも整っているため、外国コーヒー輸入側との国際決済が機能している」と話しています。
世界的に名が知られているアラビカコーヒー豆の原産国エチオピアは、重慶に総領事館を設けています。エチオピア総領事は「エチオピアのコーヒーは、ここの貿易センターを通じて中国で販売されている。販売は以前よりスムーズになり、双方に利益をもたらしている」と述べ、中国が世界のコーヒー生産区のために黄金通路を開通したと評価しています。
中国は、小麦、稲、とうもろこし、綿花などの栽培面積が減少する傾向にあり、世界最大の食糧輸入国になりつつあります。中国・欧州貨物列車には食糧列車が設けられ、欧州と中央アジアの農産物の中国販売に一役買っています。
このほか、中国は大豆やパーム・オイル、綿花など、世界最大のバイヤーになっています。昨年の農産物輸出入額2014億ドルのうち、輸入額は約1259億ドルに上り、米国、ブラジル、東南アジア諸国連合(ASEAN)、欧州連合(EU)、オーストラリアが70%を占めています。中米貿易摩擦で米国の大豆が特別に注目された理由は、中国が米国の最大の大豆市場になったことにあります。昨年、米国からの大豆輸入額は140億ドルに達していました。一方、大豆の大規模な輸入で、国内の牧畜業の発展も促されています。
現在、世界最大の農産物輸出国は米国です。これについて、中米間の農業協力の道は広いと、専門家の于露氏は見ています。于氏は「両国の消費習慣は異なる。たとえば鶏の場合、中国人は鶏肉だけでなく、足、手羽先も好んでいるのに対して、米国の消費者は胸肉だけを好んでいる。この点でも両国は相互補完性が強い。今後、協力こそが両国の関係側に互恵効果をもたらすことができる」と強調しました。(朱 星)