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「臨湖亭」王維

2016-06-23 14:24:11     cri    


 昨日が夏至でした。日本にいた頃は、夏至と聞くといよいよ本格的な夏が始まるなぁと感じていましたが、北京では連日35度前後の最高気温で今頃は既に夏本番です。それでも、日本にいた頃の感覚が染みついていて、夏至になったら、7月になったら夏のワンピースを着ようと夏物への衣替えのタイミングを計っていました。考えてみれば北京は6月7月が一番暑く、日差しも強い時期かもしれません。あわてて日傘、サングラス、扇子の夏のおでかけ3点セットを用意しました。日本に較べ日差しは強く、クーラーが効いている場所もまだ少ない気がします。でも、暑い夏に太陽の日を浴びて、汗をかくのは、ある意味夏の正しい過ごし方かもしれません。本来、涼を取るのはクーラーからではなく、水辺の景色や水を渡る風であるべきなのでしょう。さて、今日は正しい夏の過ごし方ともいえる王維の「臨湖亭」を紹介します。

 作者、王維は盛唐の詩人。現在の山西省の人。詩だけでなく画、書、音楽にも長けていました。31歳の時に長安の東南約50キロの山奥にある「輞川荘」という別荘を購入します。そこで、友人の裴迪(はいてき)と別荘内の景勝を詠んだ詩が『輞川集』(もうせんしゅう)と言う名前で、まとめられています。今日の詩は、その別荘のほぼ中央にある欹湖(いこ)の岸辺の水の上に建っている建物「臨湖亭」が、詩のタイトルです。軽舸は船のことで、船でお客さんを臨湖亭に招いたようです。上客、大切なお客さんなのでしょう。軒は日本語なら軒(のき)ですが、ここでは、窓の手すり。お客さんをお酒でもてなす。湖上にある臨湖亭から周りを見回すと四面、つまり辺り一面、芙蓉が開いていると詠っています。当時、芙蓉は蓮の花を指しました。大切なというか、大好きな人をお客さんとして迎えて、湖上でお酒を楽しむ。辺りは満開の蓮の花。湖を渡る涼やかな風と、王維のうれしい気持ちが伝わってきます。

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