今年の1月19日は、旧暦の12月1日です。中国では、旧暦の12月を(1)「月」と言っています。「月」の「」の「月」へんはここでは、「肉」の意味です。昔から、「月」に入ると、人々は肉類の加工を始めます。お正月期間中に食べる牛、羊、豚、魚などの(2)肉を煮込んだり、干物にしたり、漬物にしたりして、お正月料理の準備に追われるようになります。「月」の今、旧暦のお正月・(3)「春節」を迎える(4)ムードが日増しに濃くなっています。
「月」で、最初に迎える行事は旧暦の12月8日・「八」です。その日になりますと、まず、(5)「八粥」というお粥を食べます。小豆が入っているので、赤い色をしていますが、お米、もち米、粟、ハトムギの実などの穀類、インゲン豆、緑豆などの豆類、そしてピーナッツ、(6)干し葡萄、(7)ひまわりの種、棗、胡桃、竜眼、蓮の実など、いろいろな材料を使って煮込んでできたお粥です。氷砂糖やお砂糖などで味付けをしているので、甘いです。凍えるような真冬、(8)湯気が湧きたつアツアツの「八粥」は食欲を誘うものになっています。また、自家製のこのお粥を近隣に配る慣わしもあって、「八粥」を作ることができない我が家でも、おかげで近隣からもらっています。年に一度、材料豊富なこのお粥をいただくと、おしゃべりも弾みます。そして、北京では、ラマ教のお寺である(9)「雍和宮」で、朝からお昼にかけてこの「八粥」を配る行事があります。今年は1000人以上も集まり、その列には外国人も混じっていたということです。飽食の時代でありながら、国民の栄養のバランスが崩れているとして、五穀のお粥を食べるこの日を、「栄養の日」にしようと、提案する専門家もいます。
「八」は、「八粥」を食べるほか、(10)「八蒜」を漬ける日でもあります。この日、皮を剥いたニンニクを米酢に漬ければ、大晦日のころ、見事に鮮やかな緑に変わる上、辛さが抜けます。大晦日の夜食べる餃子の(11)薬味として最高のものとされています。
「八」が過ぎると、春節を迎える雰囲気がだんだん濃くなってきます。放送局では、玄関の両側に、大きな赤いちょうちんを飾り、局の忘年会の出し物を準備する姿も目立っています。町でも、「帰省する、南へ旅する、ゆっくりしたい、出勤はいやだ」などといった会話を、よく耳にするようになっています。
これから春節まで、かまどの神様を祭ったり、大掃除をしたり、肉を煮込んだり、「対聯」を貼ったりするなど、(12)こまごまとした行事が続きます。
(文:朱丹陽)
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