日本中国友好協会は11日、田母神俊雄前航空幕僚長の更迭問題に対する声明を発表し、麻生首相並びに浜田防衛大臣宛てに送付しました。そして、田母神俊雄前航空幕僚長の発言に厳正な対処をするよう強く要請しました。
日本中国友好協会の声明は次のように述べています。
「田母神俊雄前航空幕僚長が侵略と植民地支配を正当化し、「我が国が侵略国家だったというのは正に濡れ衣」と主張する論文を発表し、更迭されました。この問題は、歴史の真実と平和を希求する国際社会に対する重大な挑戦であり、田母神氏個人の責任で終わるものではありません。
植民地支配によって民族固有の文化を奪い、中国をはじめとしたアジア諸国に攻め込んで、2000万人を超える人々を殺した侵略戦争の事実は、決して否定できるものではありません。「三光作戦」、731細菌部隊、「従軍慰安婦」を始めとした日本軍の加害の実態は、被害者のみならず、自らが加害行為を働いた元日本兵の証言でも明らかにされています。この動かしがたい事実を「濡れ衣」などと否定することは、到底許されるものではありません。」
日本中国友好協会の声明は更に、「田母神氏は更迭後の記者会見においても、改めて「日本は決して侵略国家ではない」との持論を述べ、「政府見解は検証されるべきだ」と出張しました。このような人物を任命した当時の安倍首相の責任はもとより、田母神氏を、懲戒処分とせず、定年退職として政府のあいまいな姿勢は、数々の戦後補償裁判で謝罪と賠償を認めない日本政府の主張にも見られるように、侵略戦争の責任に背を向けてきた「戦犯政治」にその根元があると言わざるを得ません。」と述べました。
声明は最後に、「日本中国友好協会は、平和と民主主義を守り、アジアと世界の平和に貢献することを願う立場から、日本政府は自らの責任を明らかにすると共に、今回の問題を田母神氏の更迭に終わらせることなく、自衛隊が引き継いでいる旧日本軍の思想と体質の一掃と、侵略と植民地支配の反省を明確にした歴史認識の徹底を図り、再び戦争の道に踏みださないために力を尽くすことを強く求めるものです」と述べました。(kokusei)
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