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胡錦涛主席訪日、各界の反応
   2008-05-05 16:06:57    cri

 今回の胡錦涛国家主席の訪日の意義やそれに寄せる期待をめぐり、両国の関係者に話を伺いました。

東京証券取引所・西室泰三会長

 中国の国家主席として、長い間、日本へのご訪問がなかったので、これで、新しい中日間の繁栄のための基礎が築かれるのではないかと、たいへん期待しています。今の日本政権はこの前の政権と違って、日本の国民全体を代表して、中国と仲良くやっていこうということを考えているし、また、それを中国側も受け入れているのです。それを具体化できるということは、日本の国民にとっても、とても嬉しいことです。

日本経済新聞社 杉田亮毅会長

 やっぱりね、日中の歴史にとって、非常に大きい、新しい一ページだと思います。昨年の温家宝首相の来日で、日中の新しい一ページが開かれましたが、まだ最高首脳の訪日が実現していませんでしたので、まだ、中国の皆さんにとって、本当に日本と仲良く付き合えるかどうか、温家宝首相の旅で見極めたいと思うのですが、今回、胡錦涛主席がおいでになるということで、中国の皆さんも、今の日本なら十分やっていけるということで、踏み来ったということだと思います。日中間には、まだまだたくさんのことがありますけど、今回の訪日でそれを乗り越えていく努力を双方ですると思います。日中関係が非常に深く、かつ、幅が広くなっていく第一歩だととらえています。

新21世紀中日友好委員会 小林陽太郎議長、石川好委員

 【小林氏】今、日本ではたいへんな期待が盛りつつあります。

 中国の国家主席としての訪日が今回で十年ぶりになりますし、去年、温家宝総理が日本を訪れ、また、その前に安部首相、福田首相も相次いで中国を訪問し、中日間の関係が非常によくなったので、今回の胡錦涛国家主席の訪日は、、ある意味では、日中間首脳交流の仕上げではないけど、最後の非常に重要なステップとしておいでいただくことになります。

 それから、日本の立場から考えると、今年は洞爺湖サミットの年で、環境問題が大きなテーマになっています。ですから、中日間の関係で、胡錦涛国家主席が来日することで、ひとつの節目になっていますが、それだけでなく、胡錦涛国家主席、福田総理が一緒に集まって話し合いをすることは、環境問題に対して何か世界に向けて非常に重要なメッセージを出せるのではないかと、また、それはすべきではないか、そういう期待が日本国内で非常に高まっています。実は、われわれの委員会も、ぜひそのことを両首脳にやっていただきたいです。そういう意味では、今回の胡錦涛主席の訪日は、ぜひ成功していただきたいことで、非常に重要なことだと思っています。

 【石川氏】やはり大事なことは、常にトップ同士がいつでも会えるような雰囲気を作っておくことが、国と国同士の関係で非常に大事なことですから。この五年も六年もそういう状態がなかったのが、問題だったわけで、まず、その点で、今回の訪日をきっかけに、さらに、国同士の交流、民間の交流が出たけど、続けていく事が大事です。同時に、環境問題は世界のことでもありますから、日本と中国が何かその環境問題に関するイニシアティブがとれるような共同宣言でも談話でもよいですが、それができればよいなと私は思っています。まあ、日本国民はもちろん大歓迎しているわけですから。 

 

朝日新聞編集委員、加藤千洋氏

 基本的には、非常に期待していますけれども、今、非常に難しい問題が相次いで起きていますので、そういう問題がどういうふうに影響するのかなと、ちょっと心配しています。日本の国民は中国の指導者はどんな人だろうと、本当にその素顔、生の声にふれたいというふうに思っている人が多いと思いますね。私の希望としては、こういう機会を通じて、胡錦涛主席が素顔、あるいは生の声が日本の普通の人に伝えてもらうような機会にすればよいなと思っています。たとえば、テレビに出演するとか、記者の質問に気軽に立ち止まって、五分でも十分でも良いと思うので、硬い話ではなく、柔らかい話で即興に答える、などです。忙しい日程と思いますけど、ちょっとでもそういうことを入れていただけると、たいへんありがたいように思います。

 温家宝首相は国会で演説していましたが、今回は、胡錦涛主席も大学で演説することになったようですが、温家宝総理の演説が中国国内でもライブで放送され、画期的なことでした。内容も、日本のことを公正に評価するという部分があって、とても良かったと思います。ぜひそういうものをさらに延長するような内容の演説をするようにしてほしいと思います。

 今一番問題になっているのは、残念ながら、ここ数年、日本の国民の中国を見る目、中国国民の日本を見る目が、冷え込んでいると思います。これがやはり異常なことだと思います。人間で言えば、平熱というか、36、37度ぐらいに戻してもらって、肩の力を抜いて、お互いが率直に相手を認められるようにという基本的な環境を整えなければいけないと思います。そういう方向に役立つような胡錦涛さんの訪日であってほしいです。 

慶応義塾大学・国分良成教授

 とても大事だと思います。日中関係はこれまで何年間にもわたって、苦しい関係が続いていましたから、安部前首相と福田首相の訪中及び温家宝首相の来日で、もうすべて整っているから、このまさに締めくくりとして、今度、胡錦涛主席が日本に来られることは、本当に大事な機会です。日中関係は、当然、これから寒い時代がまた来る可能性がありますが、こういうためにも、今、基礎をきちんと作っておき、長期的な関係に向けて様々な仕組みを作っておく必要があります。今回は、そのためのきっかけになるとても大事な機会だと思います。今度の胡錦涛国家主席の訪日を通じて、長期的な日中関係の安定化を考える機会にしていただきたいですね。

国際交流基金北京事務所藤田安彦所長

やっぱり日中間で色んな問題がありますけど、トップダウンはまだまだ効果がありますよね。国民は交流の場での話し合いの結果を知りたいし、注目していますよね。日中間でどうなっているのか、訪問した後のプレス発表を含めて、とても大事なメッセージが含まれていると思います。

 中国はこれだけ経済が発展しています。それにともなって、様々な問題も起きていますが、実は日本も環境問題を含めて、結構な経験があるわけです。日本はとてもそういう経験を生かしたいと期待していますが、それは中国も期待していると思います。今回の訪日の中で、ぜひ日本も協力して一緒にやりましょうよ、と。中国も一緒にやろうよ、ということですけど、大事なのは、「日本も経験があるので、どうぞ使いませんか」というのではなく、中国における問題、たとえば、黄砂は今世界的な問題になっていますが、これらの問題に対して、一緒に日中間で協力して研究していくことだと思います。日本にも中国にも、両方の問題を一緒になって協力して研究することです。たとえば、砂漠化の問題にしても、日本では経験のないことです。どのぐらい木を植えて、それは効果はどうなのか、よく知りません。

 環境の問題だって、湖が太湖を含めて、各地で色んな湖が汚れていますが、こんな汚れた湖をどうやって回復するのか、日本の大きい湖は琵琶湖しかありません。ここでは、大きな湖があって、それを双方の学者が一緒になって研究し、過去に日本になかった対策を考える。それを一緒にやることによって、たくさん解決できると思います。

大学教員、教育学研究者・吉村澄代さん

 私は日本人たちは、胡錦涛主席をあまり知らないと思います。もちろん、名前や映像はニュースで知っていますが、生の姿はおそらく初めてなので、そういう意味では、日本人にとって、きっとそれが大きな意義があると思います。温家宝さんは氷を融かして、今度は融けた流れになったものが、互いの国に注ぎあわなければならないと思います。だから、今回の旅は、「流れをつくり、互いに注ぎあう旅」ですね。

 普通ならば、今度の聖火リレーの件を考えたら、訪日をやめるじゃないかなと言う声が日本側でもささやかれていました。それを日程を変えずに来られるということは、日本人側にとっては、やはり、かなり中国に対する見方が好転するのではないかなと思います。やっぱり避けるのではなく、きちんと来てくださることは大事だと思いますね。

月刊『経済』 陳言主筆

 今度の胡錦涛主席の訪日は中国最高指導者の十年ぶりの日本訪問で、非常に注目されている訪問です。去年、福田首相も中国を訪問され、その際「来年は日中関係飛躍の年にしたい」とおっしゃいました。ちょうど、今度、胡錦涛主席の訪日によって、それを確認できるのではないかと思います。それを確認することによって、安定した中日関係が維持できるだろうと思われます。

 マスコミにいる人間としては、たとえば、餃子問題だとか、東中国海のガス田開発の問題だとか、チベット問題だとか、色々注目されるポイントがありますけど、私はおそらく中国と日本の関係はそれだけではなく、むしろ、今後、もっと大局から見て、どういう中日関係をつくっていくべきか注目すべきだろうと思います。

 たとえば、30年前、中日平和友好条約が締結されました。それによって、中国と日本は30年間、非常に安定した経済発展ができました。今度の訪日によって、もしこの関係を確認でき、また30年間、平和的で、両国にとっても十分なる経済発展というような目標が達成できれば、非常に意味が大きいものとなるでしょう。

 また両国にとって意味のある、環境問題の解決、青少年交流、パンダの貸し出しによって国民間に良いムードを作る、などもあります。

音声はこちらから:https://japanese.cri.cn/341/2008/05/06/1@117339.htm

日本問題専門家、コラムニスト・劉檸さん

2008年は節目の年

 中国にとって、今年はオリンピックの年だけではなく、中日平和友好条約締結30周年、または、中国の改革開放30周年の年でもあります。中国の改革開放が大きな成果を挙げ、また、同時に、もっともハードな段階に入りました。これから、改革が引き起こしたひずみを是正することが大きな課題になり、中国社会はまさに転換期を迎えています。このような重要な時期に、中国の指導者が隣国の日本を訪問することになります。この隣国は、かつて、中国の改革開放にもっとも大きな、もっともタイムリーで、もっとも効果的な支援をしてくれた国であり、また30年前に、中国の改革開放の総設計士である鄧小平氏に数多くのヒントと有益な経験を与えた国でもあります。こうした歩みを改めて思い起こすこと、また、互いの社会が21世紀で転換期を迎えた中、オリンピックイヤーとその後の年に、絶えず、両国の戦略的互恵関係を強化し、両国の長期的な関係を発展させることは、たいへん重要だと思います。

リスク管理メカニズムの構築に期待

 中日関係には様々な問題点も多くあります。中には、短期間での解決が期待できない問題も数多くあるかと思います。これは、双方の社会制度やイデオロギーの違いから来たものだけでなく、戦後60年の歴史の投影そのものでもあります。一方、双方はいずれも、21世紀に入ってから、これまでに経験したことのない社会の転換を迎えています。こうした中で、中国と日本は時には結びつき、時には互いに排斥しあい、互いに相手なしでは自身も発展できない状態になっています。こうしたダイナミックな動きは、双方にとっても初体験のことではないでしょうか。このことが両国国民の心理にも微妙な影響を落とし、様々な摩擦を起こしたのだと思います。

 しかし、これもある意味では、発展のプロセスにおいて、たいへん自然な成り行きでもあることでしょう。ただ、双方の相互信頼メカニズムがまだ完備されていない時にこそ、リスク管理のメカニズムを共同で築き上げることが、現段階では何よりも大事なことだと思います。もし今回の会談の中で、こうした話し合いで合意に達せば、それはそれで大変重要な意義があると思います。

協力の意義を高く評価

 去年末の福田首相が訪中した際に合意した、経済や省エネ協力などで枠組み協定は、双方の首脳会談が継続していけば、具体的な行動が必ずや、しっかりと、着実に推進されていくことでしょう。これに対して、私は個人的に楽観視しています。

 また、この面において、まだまだ双方が一緒に協力して取り組んでいかなければならない課題がたくさんあります。日本が経済を発展させる際にぶつかった問題と対策は、中国にとってたいへん良い参考になります。まさに、中国は現在、このような段階になってきているのです。中国は日本を「師」として、取り組んでいけばよいと思います。双方はこういった面における戦略的互恵協力の相互補完性はたいへん高いです。こういった分野で協力を展開することは、戦略上、競争関係にある分野の占める割合やそれにより引き起こすリスクを低減させることができるため、とても積極的で、重要な意義があります。

■写真はblog.qq.comより転載、音声はこちらから:https://japanese.cri.cn/341/2008/05/06/1@117339.htm

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