中国衛生省はこのほど、世界エイズ・結核・マラリア対策基金と協力協定を結びました。協定には、この基金が、中国でのエイズ予防と治療に世界中のNPOとNGOが携わることを支持するため、今後5年間で中国に1400万ドル余りの支援金を提供する内容が盛り込まれています。これによって、中国とこの基金が結んだ協力プロジェクトは10件に上ります。今日の中国リポートは中国とこの基金の協力についてご紹介しましょう。

　世界エイズ・結核・マラリア対策基金は2002年に創設されたもので、エイズ、結核それにマラリアを撲滅するための国際公益基金です。現在、この基金は各国政府、企業と慈善団体からおよそ180億ドルの寄付を集めています。そのうち、中国政府は1000万ドルを寄付しました。

　今回の協力協定は、中国でエイズ予防と治療に携わるNPOとNGOへの資金援助を目的としています。中国衛生省の黄潔夫次官は、「NPOとNGOはエイズの予防と治療に関わる情報の普及と収集のためにかけがえのない存在である。今回の協定はNPOとNGOがより役割を果たす上でプラスになる」と語りました。

　「私たちはこのプロジェクトの実施によって、NPOとNGOがエイズの予防と治療に積極的に関わり、それぞれの優位性を生かして、中国のエイズ予防と治療を促すことを期待している」

　エイズ、結核それにマラリアは人類の健康を脅かし、世界の経済発展を妨げる三大伝染病とされています。多くの人口を持つ中国は発展途上国で、これらの伝染病に脅かされています。　

　世界エイズ・結核・マラリア対策基金は設立後、最も資金が不足している国と地域とりわけ発展途上国に資金援助を行っています。中国はこの基金と密接な協力関係を持っています。この基金の実行主任のカザチカイン氏は中国との協力について「中国はこの基金の最も大きなパートナーである。中国に提供する資金はすべての支援国の中で、二番目の額になっている。この基金と中国が結んだ10件の協力プロジェクトは中国の31の省、市と自治区に広がり、その資金規模は4億2400万ドルとなっている」と語りました。

　この基金は、今回調印した協力プロジェクトのほか、中国の中部地区の7つの省で輸血によるエイズ感染を防ぐプロジェクト、麻薬常用者に塩酸メサドンを投与するプロジェクト、結核の患者を無料で治療するプロジェクトなどを展開しています。

　この基金のカザチカイン氏は、「我々の基金は世界の136の国と協力プロジェクトを行っている。基金の規定によって、資金援助が役立ったことを証明できるプロジェクトは引き続き支援を得られる。中国は2004年に初の資金援助を受けてから、色んな面で成績を収めているので、基金と新たな協力プロジェクトを次々に行うことができた」と指摘しました。

　「私たちは中国で展開されている協力プロジェクトを高く評価する。中国はこれらのプロジェクトで著しい成果を収めたからだ。中国は基金から一番多くの支援金を受けている国だが、実際に上げた効果も最もすばらしい国である」

　カザチカイン氏は中国政府がエイズ、結核それにマラリアの予防と治療のため尽くした努力を高く評価し、エイズ、結核それにマラリアの蔓延を防ぐため中国政府と協力を続けていきたいと表明しました。（翻訳：KH）