第17回イベロアメリカ首脳会議(IberoーAmerican Summit)が8日から10日までの3日間、チリの首都サンティアゴで開催されました。
開幕式には、欧州のスペイン、ポルトガル、アンドラ三国とラテンアメリカのスペイン語系とポルトガル語系の19カ国の首脳や政府代表および国連のパン・ギムン事務総長が出席しました。
イベロアメリカ首脳会議はスペインのカルロス国王の提案で1991年に初めて開かれ、毎年開催されています。
今回の会議は域内の政治、経済、社会、文化などの問題をめぐり意見を交換し、「サンティアゴ声明」を発表しました。
声明は「社会の公正、調和と融和を推進し、社会保障体制を構築し、貧困層への支援制度を整備する。貧困解消は社会発展の鍵であり、イベロアメリカ、特にラテンアメリカ諸国の貧困問題解決は急務である。イベロアメリカ諸国は社会保障体制の構築を重要視し、就業率の向上と社会資源の均衡化を促進し、人種的・性的差別を解消し、教育を普及させるべきである。イベロアメリカ諸国はまた、世界の多極化と国際問題における国連の主導的な役割を支持し、他の地域諸国との協力を推進する」とし、移民問題の善処を国際社会に呼びかけました。
会議はまた、キューバに対する経済封鎖を終結し、経済制裁強化のための「ヘルムズ・バートン法」を廃止するようアメリカに要求したほか、アルゼンチンのマルビナス諸島領有権を支持し、交渉の再開をイギリスに要請すると共に、国連のミレニアム開発目標を実現させるため、実行可能な措置を講じて貧困を解消させるよう域内諸国と国際社会に呼びかけ、国際社会のテロ対策へ、政策面で便宜を図り、資源の持続可能な開発を保障し、温暖化対策を講じていくよう呼びかけました。
スペインはラテンアメリカ諸国の飲料水供給を確保するため、今後4年間で15億ドルを支援すると約束しました。
会議はまた、パナマにラテンアメリカとカリブ地域に向けたレスキューセンターを設置したほか、児童保健基金を創設することを決定しました。
1993年から、貧困解消と民主、それに社会的公正がイベロアメリカ首脳会議のメインテーマとなっています。
国連の統計によりますと、2006年、ラテンアメリカの貧困人口は2億500万人に達し、貧困、発展の不均衡と不公正は深刻化したということです。
これを受け、今回の首脳会議は「社会の団結と融合の促進」を主要議題にしています。
会議はまた「イベロアメリカ諸国社会の安全と保障に関する多国間協定」に調印しました。
域内諸国は今後3年間のうちに、この協定を法制化し、域内の各国では外国人就業者に対し、相互に内国民待遇を実施することにしています。 (ジョウ)
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