日本最大の野党・民主党の小沢一郎代表は4日、記者会見で「自民党総裁である福田康夫首相との党首会談をめぐって党を混乱させてしまった。そこで責任をとって代表を辞任したい」との意向を発表しました。この小沢代表の突然の辞意表明は民主党内部の混乱を招くだけでなく、日本の政局に大きな影響を及ぼすことになりそうです。
2日午後、小沢一郎代表と福田康夫首相は二度にわたって党首会談を行いました。会談中、福田康夫首相は民主党と「大連立」を検討し、テロ対策特別措置法の議会での採決において民主党の協力を求めました。この福田首相の提案を受け、小沢代表は拒否の姿勢を見せませんでした。小沢代表は「会談の中で福田首相が誠意を示し、今後の自衛隊の派遣を国連決議の枠組みの下で行うことを承諾した。これは民主党が一貫して主張していることに合致している。また、連立政権の樹立を通じて民主党の執政の力を示し、国民の信頼を獲得し、最終的に民主党の単独政権を実現することにとっても有利だ」としています。しかし、小沢代表の立場は民主党内部の反対を受け、他の野党も小沢代表が福田首相と密室協議を行ったと批判しました。小沢代表は「このことで党内部の混 乱を引き起こし、党首としての役割を果たすことができず、辞任せざる得ない」と述べました。
7月に行われた参議院選挙で、小沢代表が率いた民主党は自民党を破り、参議院の第一党となりました。世論は、民主党が参議院選挙で勝利を収めた後、早期の衆議院解散と総選挙の実施を求めており、もしそうなれば、民主党が勝利を収める可能性が高いと予測しています。専門家は「小沢代表は民主党の参議院選挙における功労者であり、民主党内部には彼に取って代わる新代表候補がまだいない。小沢代表の辞任は民主党にとっては大きな衝撃となり、民主党の分裂を引き起こかねない」としています。
与党の自民党と福田内閣にとっては小沢辞任は追い風といえます。まず、福田首相が自ら進んで小沢代表と会談したことは与党が政策問題について野党と協議する姿勢を示したことになります。一方、民主党は自民党との協議を拒み、自らの党利党略から国の政策を軽んずるというイメージを残しました。
また、小沢代表の辞任により、自民党が懸念している衆議院の早期解散は避けられることになり、自民党が日本の政局の主導権を取り戻す可能性もあります。
小沢代表の辞任表明を受け、民主党の鳩山由紀夫幹事長と菅直人代表代行は協議した後、小沢氏の慰留を決定しました。しかし、小沢代表はまだはっきりした態度をしめしていません。
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