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コソボ地位をめぐる第二ラウンドの交渉がスタート 
   2007-08-12 15:46:09    cri

  セルビアのタディッチ大統領とコシュトニツァ首相が10日、ベオグラードの大統領府でアメリカやフランス、ロシアなどで公正するコソボ問題のコンタクト・グループと会談を行い、コソボ地位問題をめぐる第二ラウンドの交渉が始まりました。

 コンタクトグループは会談後の記者会見で、「セルビアとコソボ双方に受け入れてもらえる解決案が出せるよう努力していく」と述べました。

 セルビアは交渉開始に先立ち、7月末、コソボ問題に関する決議案とセルビア交渉代表団の報告を議会で採択し、更に、8月初め、セルビア政府は新しいラウンドの交渉原則を採択しました。これらの決議などで、「コソボ問題は国際法と国連安保理の1244号決議に基づき、公正な解決をはかっていくこと。コソボはセルビアの不可分な領土で、国連がコソボ問題の最終決定権を有すること」といった立場を改めて強調しました。同時に、セルビアは最大限の譲歩案も明らかにしました。それは、コソボに最も広範囲で、最も高度の、「世界のいかなる先例をも超える」ほどの自治の地位を与え、世界銀行、国際通貨基金などの国際機関に加盟し、海外での代表所の設置も可能にするというものです。

 これに対し、コソボ側は第二ラウンドの交渉に冷やかな態度を示しています。コソボ側は、コソボ地位問題は、国連のアハティサーリ特使の解決案ですでに結論が出され、新しいラウンドの交渉をする必要はないとしています。コソボ側は、「新しいラウンドの交渉をやる場合には、コソボの独立問題や、領土主権問題や、コソボの境界の線引き問題に触れるつもりはない。民族文化の多元性の保護のあり方、難民の帰還及び経済発展などのテクニカルな問題を議論しよう」と、繰り返して主張しています。コソボ側はまた、セルビア民族に対する優遇政策を発表しました。例えば、北部のセルビア人の集まり住むエリアに自治区を設け、セルビア人に自治の権利を与えることなどです。コソボのチェク首相は10日、120日間に及ぶ交渉をした後、コソボ独立の決定を下すことを保証するよう、国際社会に求めました。

 コソボの最終的な地位をめぐる一回目の交渉は2006年10月にスタートしました。仲介をしたアハティサーリ国連特使は2007年2月に、コソボ問題の解決案を出しました。その主な内容は、コソボを独立国にし、最初は、国際社会の監督下に置くが、政治、経済、社会など各方面が軌道に乗った後は、国際社会は撤退するというものです。この解決案はコソボに歓迎され、また、EUやアメリカの支持を得ましたが、セルビアの強い反対に遭い、3月10日、交渉が決裂しました。その後、5回にわたる修正を行ったが、ついに、国連安保理では採択に至りませんでした。その後、アメリカとEUは譲歩して、新しいラウンドの交渉に同意し、4ヶ月後にコソボ問題の解決の糸口が見つかるよう目指しています。

 しかし、セルビアとコソボ双方に受け入れられる解決案の創出は容易なことではなく、地元のアナリストたちは、「第二ラウンドの交渉は以前よりも更に困難になるだろう」と見ています。コソボ側の立場は以前よりも強行になっており、アハティサーリの解決案の中に見出したコソボ独立への希望を決して簡単には捨てないと見られるからです。これに対して、セルビア側はアハティサーリ特使の解決案は、「セルビアの15%の領土を奪い取ろうとするものだ」と真正面から反撥しています。一方、アメリカとEUはいずれも、アハティサーリ特使の解決案を支持しています。このような複雑な情勢を考えれば、関係各方面の妥協は難しく、120日間の交渉の後、話し合いは何の結果も得られずに終る可能性もあるとも見られています。

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