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ライス国務長官のロシア訪問、成果が挙げられない理由
   2007-05-16 16:54:47    cri

 アメリカのライス国務長官は15日、2日間にわたるロシア訪問を終えました。期間中、ロシアとアメリカは両国間問題や国際問題について一連の討議を行いました。その中には、アメリカのミサイル防衛システムの東欧配備計画や「欧州通常戦力条約」の履行状況、それにイラン核問題などの議題が含まれていました。

 今回のロシア訪問の目的は、アメリカのミサイル防衛システムの東欧配備計画についてロシア側の理解を求めることでした。しかし、ロシアのプーチン大統領は15日、モスクワ郊外の大統領官邸で会談した際、この計画に反対する立場を改めて強調しました。プーチン大統領の強硬な姿勢により、ライス国務長官の思うような成果を挙げることができなかったのです。

 ライス国務長官は14日モスクワに到着した際、「アメリカとロシアの関係はかなり困難な時期を迎えている」と明らかにしました。ライス国務長官のいうとおり、米ロ関係はここ数年、最も複雑且つ緊迫した時期にさしかかっています。まず、今年2月プーチン大統領はドイツのミュンヘンで開かれた第43回ミュンヘン安全政策会議に出席した際、アメリカが世界で武力を行使していることを強く非難しました。また、「NATO・北大西洋条約機構の東方拡大がロシアの安全を脅かしている」と批判しました。更に4月、プーチン大統領は一般教書演説で、アメリカとNATOがロシアの反対を無視し、東ヨーロッパでミサイル防衛システムを配備していることに触れました。大統領はこの状態が続けば、ロシアは「欧州通常戦力条約」の履行を停止すると表明しました。

 ライス国務長官に対するプーチン大統領の強硬な態度は、こうした背景を受けてのことだと予想されます。1990年代、旧ソ連崩壊後、アメリカとNATOの勢力範囲は東方へ拡大しました。これに対しロシアは危機感を抱いています。特に、アメリカのミサイル防衛システムの東欧配備計画は絶対受け入れることのできない脅威となっています。一方、アメリカはこの計画を放棄するつもりはありません。これは米ロ関係が直面している大きな障害であり、ライス国務長官が今回のロシア訪問で成果を遂げられなかった主な原因でもあります。

 この外、両国はイラン核問題やコソボ問題などでも意見を対立させています。今回の訪問は双方の意見交換にはプラスとなりましたが、両国が抱える問題は余りにも大きく、両国関係は短期間に好転する可能性はないと見られています。

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