EU・欧州連合の首脳会議は9日、ブリュッセルで2日間の日程を終えました。各国は、論争の焦点となった再生可能エネルギーの使用の問題で妥協して、2020年まで再生可能エネルギーが、EUの全てのエネルギー消費で占める比率を20%にすることに同意しました。しかし、各国の具体的な義務について強制的な規定を作りませんでした。これは、EUがエネルギーと気候の保護の目標を実現する見通しに不確定さを加わえました。
再生可能エネルギーの比率を高めるか、いかに高めるかというのが、今回首脳会議の焦点となりました。EUの輪番議長国であるドイツが初めて提出した一連のエネルギーと気候の保護行動計画草案によりますと、2020年までにEUが二酸化炭素の排出量を1990年より20%削減します。この目標を実現するため、EUは再生可能エネルギーが全てのエネルギーでの比率を現在の6.5%から20%に引き上げると共に、交通エネルギーで消費した生物燃料の比率を10%に引き上げなければなりません。各国の指導者は8日開かれた会議で二酸化炭素の排出量で合意しましたが、自らの利益を考え、首脳会議が終わるまで各国はまだ再生可能エネルギーの使用限度や原子力の地位などについて論争を続けました。
論点の一つは、再生可能エネルギーの比率に対して強制的な限度を行うかにあります。ドイツ、イギリス、イタリア、デンマークなどの先進国は、大幅に再生可能エネルギーの比率を向上させることに賛成しましたが、チェコ、スロベニア、ハンガリー、ポーランドなど石炭などのエネルギーに対する依存度の高い東ヨーロッパ諸国は、それに反対しています。この圧力の下で、今回の首脳会議は折衷案を採択しました。これについて、バローゾ委員長は、「20%の再生可能エネルギーの比率はEUの総体の目標だけであり、全ての加盟国がその比率を実現しなければならないことを意味していない。委員会は、今年の第三四半期に新しい立法草案を提出する」と述べました。
もう一つの論点は、原子力の地位です。ドイツが提出した案によりますと、将来EUが使用する再生可能エネルギーには巨大な危険性のある原子力が含まれていません。しかし、原子力がエネルギー消費の40%を占めているフランスは、これを受け入れられません。このほか、現在原子力が大いに発展しているチェコとスロベニアなどの国も原子力の使用を放棄することが出来ないと表明しました。結局、最終案には、フランスなどの提案を取り込み、各国が自ら原子力発電を行うかどうかを決めることにし、技術の革新と原子力の安全確保を強調しました。
このため、ドイツは直ちに計画草案の修正に入り、新しい案は各国の意見に配慮しています。
今回の会議で採択された案に対して、EUの各加盟国は満足の意を表しましたが、バローゾ委員長が言ったように、今回の会議で収めた成果はただのスタート台に過ぎません。EUの目標を実現するために、委員会、議長国と各加盟国はまた難しい交渉を行っていくと見られています。これからの道のりは長くて曲がりくねっています。(翻訳:胡徳勝)
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