「職場でのエイズ予防に関する国際協力プロジェクト」が26日北京でスタートされましたが、このプロジェクトは中国の出稼ぎ労働者を主とする季節移動労働者をターゲットとしています。関係者は、このプロジェクト実施の目的は、移動人口に見られるエイズウィルスの感染を効果的に抑制することにあると述べました。
中国は、いまエイズからの挑戦という事態に直面しています。一昨年末までに、中国のエイズの感染者と患者の数は、およそ65万人に達し、またこの数は増える傾向があり、特に移動人口は一番感染されやすい情況にあるのです。
ここ数年、中国政府は、季節移動労働者のエイズウィルス感染予防に努力すると共に、国際協力のチャンスを積極的に模索しています。今度スタートした「職場でのエイズ予防に関する国際協力プロジェクト」は、中国労働社会保障省とILO・国際労働機関、及びアメリカ労働省が共同で実施したものです。このプロジェクトの中国側責任者である鄭東亮氏は、「中国は人口大国として、エイズ予防では多くの問題が存在している。したがって国際労働機関のもつ政策上、かつ技術上での強みを含む国際経験を、中国の職場で生かすことが非常に重要だ」と語りました。
このプロジェクトは、アメリカ労働省が350万ドルを出資し、中国労働社会保障省と国際労働機関が具体的な実施を担当します。そして広東省、雲南省と安徽省などエイズウィルスの感染者が多い省をテストケースとし、3年内に、様々な教育訓練活動を通じて、企業や労働者、及びその家族がエイズ予防に関する知識を全面的、かつ正しく理解し、季節移動労働者の危険な行為を減らし、また、エイズウィルス感染者に対する職場での差別視をなくす活動に協力していくのです。広東省でのプロジェクト実施の責任者、梁満光氏は活動の計画について、「まず、広東省の労働社会保障局や労働組合と企業家協会などで専門の作業グループを設置し、このプロジェクトの展開計画を立てると同時に、メディアを通じて、このプロジェクトとエイズ予防に関するアピール活動を行っていく。また、広州や深セン、東莞など経済が進んだ地域で約十社のプロジェクト実施でのテストケースを選ぶ予定だ」と述べました。
報道によりますと、このプロジェクトの今年の活動計画はすでに決まっており、これには、以上の三つの省で、関係者に、エイズ予防意識に関する能力向上訓練を行うこと、このプロジェクトのホームページを開設すること、職場でのエイズ予防教育に関する教材を出版すること、企業でエイズ予防教育グループを設置することなどが含まれています。このプロジェクト実施を担当している国際労働機関の郝叡志氏は、「訓練と授業などの実施、及び政策的な開発を通じて、労働者と職員にエイズ予防活動に参加させなければならない。この面では専門の教員を育成し、これら教員を通じて労働者や職員に正しい関連知識を持たせ、普段からエイズ予防に注意させることだ」と語りました。(翻訳:周莉)
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