アフリカには、エイズウイルスの感染者が最も多く、世界の6割を占めています。エイズ感染の発生以来、アフリカ諸国はエイズの予防対策を実施し、弛まぬ努力を払ってきました。12月1日の「第19回世界エイズデー」にちなんで、中国国際放送局のケニア駐在記者は、地元がエイズと闘っていることについて取材しました。
12月1日、ケニア政府の要人など各界の人々、数千人が参加して首都ナイロビで「世界エイズデー」をテーマにした集会が行われました。アワリ副大統領は、集会でエイズ予防対策の実施に関する5ヶ年計画を発表し、2010年までにケニアのエイズ感染率を5.5%以下に抑えるという目標を明らかにしました。アワリ副大統領は、「政府は、エイズ予防の戦略的計画を立てることにより、全国的な規模でエイズを予防する枠組みを定め、目標を実現していく」と語りました。
ここ数年、ケニアで行われてきたエイズ予防対策は、著しい成果を収めました。UNAIDS・国連合同エイズ計画とWHO・世界保健機関が共同で発表した関係報告によりますと、ケニアは、エイズ感染者数が減少した数少ない国の一つになったということです。
ケニヤッタ国立病院のジョージ医師は、ケニアのエイズ患者が少しずつ減少していることを確認しています。ジョージ医師は、「5年前、病院の入院患者のおよそ80%はエイズ患者とエイズウイルス感染者だったが、現在は、20%から30%になり、人数はだいぶ減った」と話しています。
ジョージ医師は、エイズ患者が減ったはケニア政府の努力の結果によるものと見ています。
ケニアのエヌギル保健相の紹介によりますと、ケニア保健省は、11万人のエイズ患者の治療を行っているほか、60万人の妊婦に、新生児へのエイズ感染を予防する医療を行っています。また、エイズの検査センターを850カ所まで増設し、低額で医療を受けられるエイズ患者専門の診療所も設立しました。エイズ患者一か月分の医療費はわずか1.4ドルで、効果的な治療を受けたことによって、一部の患者の寿命は20年以上延ばされました。
ナイロビで行われた集会で、中国国際放送局の記者はエイズ患者レニアさんを取材しました。この19年間、レニアさんは大きな勇気を持ってエイズと闘い、エイズ患者が積極的にエイズと向き合い、生きていくことを励ますため、民間の組織「エイズ患者協会」も発足させました。
レニアさんは、インタビューに答え、次のように話しています。
「レニアです。エイズ患者協会の責任者の一人です。僕は、19年間、エイズと闘ってきた患者でもあります。この協会を発足させた目的は、エイズ患者に自信と力を与え、積極的に生きていこうと勇気づけることにあります」
エイズ患者協会は、ケニアにあるエイズに関わる民間団体の一つです。これらの団体は、エイズ患者の心を支えていくほか、職業訓練も提供し、エイズ患者の就職を助けます。また、エイズの予防に関する知識の普及にも力を入れています。
ケニアのエヌギル保健相は、今後のエイズ対策について自信を示しました。
「われわれが今、やっていることは、エイズ予防のために懸命な努力を払っている人々を励ましていくことだ。ケニア、ひいてはアフリカで、今行われている努力がわれわれの将来を決める」
(訳:ラン)
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