中国政府は、このほど、西部地域への投資を拡大するため、新たに1654億元を追加して、12の重点プロジェクトを建設すると発表しました。これらのプロジェクトによって、西部の後発地域が発展し、住民4億人が恩恵を得ることになります。
中国は改革開放の政策を実施してから、東部沿海地域の経済は素早く成長し、人々の生活レベルが明らかに高まりました。しかし、ここの住民に比べて、西部地域の発展が立ち遅れています。中国の西部地域には、12の省、市と自治区があります。自然条件、歴史や社会的な原因で、その発展が比較的に遅れており、中国の貧困人口は殆どここに住んでいます。中国政府は、2000年から西部大開発戦略を実施し、西部地域への投資を強化し、西部と東部の調和の取れた発展を期待しています。
国務院西部開発事務所経済社会室の費志栄氏は、「西部開発が始まってから、中国は、毎年西部地域で、幾つかの重点プロジェクトをスタートさせた。2000年から2005年まで、70項目のプロジェクトを始めた。今年は、12項目が加わり、投資総額は累計で1兆1600億元に達している」と述べました。
この計画によりますと、今年スタートする重点プロジェクトは、交通、鉱産、工業、衛生などの分野にわたり、鉄道1本、路線3本、ローカル線空港5ヵ所の建設が含まれています。これらのインフラ整備によって、西部地域の運送能力が高められます。また、中央政府は、ここで、大型石炭企業を改革し、水力発電所とダムを建設します。現地の特徴ある産業の開発を促進するため四川省で、年間生産量80万トンのエチレン会社、新疆ウイグル自治区で、年間生産量120万トンのカリ肥料工業を作ります。また、西部地域の農村インフラの整備を強化し、農村部社会事業を発展させるため、農村部の寄宿生の学校を設置するとともに、コンピュータによる小中学校の遠距離教育を立ち上げ、村の病院を完備させます。
費志栄氏は、また、次のことを強調しました。中国政府は、経済の過熱を避けるため、投資規模を合理的にコントロールしています。この現状の下で、巨大な資金を投入し、12項目のプロジェクトを行うことは、中央政府が西部地域を支援する政策が変わらないことを示しています。
費志栄氏は、さらに「これら重点プロジェクトの実施は、西部地域のインフラ整備の立ち遅れや生態環境を改善し、現地住民の生活レべルを高めることに重要な役割を果たすだろう。それと同時に、中国東西の交流と協力を強化し、全国の経済的仕組を調整することにも大切な役割を果たしている」と強調しました。
専門家は、ここ数年、一部の西部地域の経済成長のスピードが全国の平均レベルを超え、住民の収入も増えてきました。これらの重点プロジェクトの稼動にともない、西部地域の交通状況とインフラ設備の状況も更に改善されます。これから西部地域の経済、社会的発展が強い勢いで続くでしょう。
(翻訳:ハルオ)
|