アジア経済の成長率は今年上半期、依然として強い勢いを見せ、特にインドなど南アジア諸国の経済成長速度は去年同期を上回ったものの、国際市場の需要の下落と原油価格の上昇によって、多くのアジアの国と地区の経済成長速度は去年より緩やかになりました。
今年上半期、アジアの国々と地区の輸出は全般的には安定した成長を見せています。しかし、国際的な原油価格が上昇した上に、世界各地の電子製品市場が低迷したことから、アジアの輸出成長率は去年よりいくらか低下しています。
輸出はアジア経済で大きな比率を占めていることから、輸出の減少は必ずアジア経済の成長に影響を与えます。石油価格の上昇により、産出コストも高くなり、それに加えアメリカの金融引き締め政策によって市場の需要が抑制されたことから、多くの専門家は「今年、アジア経済の成長速度は去年を上回る可能性はない」と見ています。
今年に入って以来、タイ、韓国、シンガポールなどの経済成長率は去年予想したレベルに達していないことから、それぞれの政府と専門家は元の経済成長に対する予測を下げました。経済成長率がもっとも下がったシ ンガポールの今年第一四半期の経済成長率は2.8%であり、これによってシンガポールの経済が衰退するとの懸念が生まれています。またシンガポールの第二四半期の経済成長率は3.9%に達したものの、元の予測である4.3%という目標の実現は困難な状態にあるのです。また、タイと韓国も国際市場の自国製品に対する需要が減少しているという問題に直面しています。このほか、マレーシア、フィリピン、インドネシアの第一四半期の成長率も去年の第四四半期より下がっているのです。
ところで、インドの今年上半期の経済成長速度は依然として強い勢いを見せ、1月から3月までの成長率は7%に達しています。これについて専門家は「インド国内に新しく生まれた消費市場はインド経済の成長を推進する主な原動力となっている。インドの製造業、金融業、サービス業、不動産業はいずれも強い勢いを呈している」と述べました。これを踏まえて、今年下半期では、雨季の到来、インフラ施設の不足、輸出の下落と原油価格高騰などの問題があるにもかかわらず、インド政府は今年の経済成長は7%に達すると確信しているのです。
専門家は「今年下半期、アジア諸国の経済成長率が上半期より上昇するかどうかは、電子製品に対する国際市場の需要が増加するか、また、国際的な原油価格が安定を保つかどうかによってきまる。インフレの深刻化に伴い、一部の国は金融引締め政策をとらなければならない。さもなくば、経済の成長に影響を及ぼす」と見ています。
いま、アジア諸国は、外部からの衝撃に対抗し、共に利益を獲得するという目的を実現するために、今年に入って以来、地域経済での協力のテンポを速めて来ているのです。
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