ところで、なぜ太廟に来たのかというと、CRI日本語部のホームページで公開しているシリーズビデオ「中国で生きる日本人」の撮影のためでした。今回の主人公は1本、山本達郎さん。東京の大学を卒業して間もなく北京に移り住み、自ら会社を作って着実に北京でビジネスを展開している青年社長です。中国のネットショッピングやSNSについての本も出すなど広く活躍しています。これまで仕事やプライベイトの風景を撮影しましたが、この日は、結婚式を間近に控えて結婚写真を撮るということで、その撮影の場面を撮影するために(ちょっとややこしいですが)太廟に来たのです。
中国では、結婚するカップルは結婚式前に結婚記念の写真を撮るのが普通です。それもいろいろな衣装を着て、室内・屋外取り混ぜていろいろな場所で撮り、50~60枚の写真を大きなパネルやアルバムにします。新婚家庭を訪問すると、われわれ日本人には見る方が恥ずかしくなるようなポーズで撮った写真が飾られていますが、この辺は国民性の違いというか文化の違いです。費用は大体日本円で言えば10万円から20万円ぐらいで、一生の記念だと思えばそれぐらいの出費は安いものかもしれません。
山本さんも中国で知り合った日本人の女性と10月に結婚式を挙げる予定で、その前に結婚写真を中国風に撮ることにしたと聞き、ぜひわれわれもその場面を撮影しようと思い太廟に来たわけです。
正殿の前では同時に何組もカップルが撮影していた
太廟に着くと、驚いたことにカップルがあちこちで結婚写真を撮っていました。数えてみたら10組以上います。カメラマンたちは、立派な宮殿建築を背景に言葉巧みに様々なポーズや表情を引き出して、どんどん写真を撮っていきます。時には長いスカートの裾をパッと広げた瞬間にシャッターを押すなど、まるでモデルや映画スターのような写真の撮り方です。中国人のカップルはそれをとても楽しんでいるように見えます。
まるで映画スターになったような気分
それにしてもいい場所を見つけたものだと思いました。太廟は舞台としては一見、故宮と変わらない壮大な宮殿建築なのに、観光客が少ないのでかなり好きに撮影できます。そして、カメラマンたちはその中で様々なアングルを見つけ、様々な写真を撮っているのですが、これはなかなかいいなあと思いました。
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